パーキンソン症候群を伴う大腿骨頸部骨折の予後
腿近年, パーキンソン症候群の増加に伴い, 同疾患を合併した大腿骨頸部骨折も増加していくと思われる. われわれは当科にて治療したバーキンソン症候群を伴う大腿骨頸部骨折の予後を検討した. 症例は男性3例, 女性17例の合計20例で, 受傷時年齢は65~87(平均75歳)であった. 受傷原因は全例転倒であり, 屋内でのものが75%を占めていた. 骨折型は内側型10例, 外側型10例であった. 手術は全例に施行したが, screwによるpinning 6例, 人工骨頭置換4例, CHS 8例, Ender 2例であった. 受傷前の歩行状態は, 独歩9例, T杖歩行4例, つたい歩き7例と全例一応歩行...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | リハビリテーション医学 1994, Vol.31 (11), p.829-829 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 腿近年, パーキンソン症候群の増加に伴い, 同疾患を合併した大腿骨頸部骨折も増加していくと思われる. われわれは当科にて治療したバーキンソン症候群を伴う大腿骨頸部骨折の予後を検討した. 症例は男性3例, 女性17例の合計20例で, 受傷時年齢は65~87(平均75歳)であった. 受傷原因は全例転倒であり, 屋内でのものが75%を占めていた. 骨折型は内側型10例, 外側型10例であった. 手術は全例に施行したが, screwによるpinning 6例, 人工骨頭置換4例, CHS 8例, Ender 2例であった. 受傷前の歩行状態は, 独歩9例, T杖歩行4例, つたい歩き7例と全例一応歩行可能な状態にあったが, 退院時にはT杖歩行可能な例は7例で, つたい歩き9例, 歩行不能4例と受傷前より悪化した例が多く, さらに術後1年の時点での歩行状態の調査ではT杖歩行が可能な例は2例のみで, つたい歩き7例, 歩行不能に陥っていたのは11例と過半数を占めていた. 特に内側骨折に対するpinning施行例に予後不良例が多かった. パーキンソン症候群の重症度でみても80%の症例が受傷前より悪化していた. パーキンソン症候群を伴う大腿骨頸部骨折の予後は不良である. 治療成績の改善のためには早期離床, 早期歩行を目的として手術方法を選択すべきである. また退院後も十分な経過観察と家族への指導が重要であると思われる. |
---|---|
ISSN: | 0034-351X |