慢性関節リウマチに対する外来リハビリテーション

慢性関節リウマチ(RA)では関節破壊による変形や疼痛, 可動域制限あるいは廃用による筋力低下がADLを低下させる. したがって, RAの治療では薬物治療と並行して早期から適切なリハビリテーション(以下, リハ)を実施することが重要である. そこで関節機能の維持を目的にRA体操とADL指導による関節保護教育を行い, その効果についてアンケート調査を行った. 【方法および結果】対象は当院にて加療中にRA体操とADL指導を行い, 6カ月以上経過観察が可能であったRA女性患者32例である(平均年齢:44.9歳). 立ち上がり動作や拭き掃除などのADL指導では全症例の78%が満足し, ほぼ実行していると...

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Veröffentlicht in:リハビリテーション医学 1994, Vol.31 (11), p.812-812
Hauptverfasser: 佐浦隆一, 伊藤浩充, 藤岡宏幸, 土井田稔, 水野耕作
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:慢性関節リウマチ(RA)では関節破壊による変形や疼痛, 可動域制限あるいは廃用による筋力低下がADLを低下させる. したがって, RAの治療では薬物治療と並行して早期から適切なリハビリテーション(以下, リハ)を実施することが重要である. そこで関節機能の維持を目的にRA体操とADL指導による関節保護教育を行い, その効果についてアンケート調査を行った. 【方法および結果】対象は当院にて加療中にRA体操とADL指導を行い, 6カ月以上経過観察が可能であったRA女性患者32例である(平均年齢:44.9歳). 立ち上がり動作や拭き掃除などのADL指導では全症例の78%が満足し, ほぼ実行していると回答した. 特に立ち上がり動作, 荷物の保持動作などでは実行率は50%以上であったが, タオル絞りの動作では20%以下であり項目によりばらつきがあった. このADL指導により全症例の28%で関節痛が軽減し, 61.5%が関節の変形予防に役立つと考えていた. また, RA体操の指導に対する満足度は87.5%であり, RA体操を実行している患者の69.6%が体調が良くなったと回答した. しかしRA体操をほぼ毎日実行しているのは28%のみであり, 実行していない理由としてRA体操の煩雑さを挙げていた. 【まとめ】RA患者に対するRA体操とADL指導による関節保護教育は受講時の満足度が高く外来リハとして有用であるが, その効果を上げるためには継続した高い実行率が必要である.
ISSN:0034-351X