正常膝関節での前方動揺性について

【目的】近年, 膝関節の前方動揺性を定量的に測定する方法としてKnee Motion Analyzer(CA-4000)が信頼性の高い方法として報告されている. われわれは正常膝で前方動揺性を測定し, 性別, 左右での影響について検討した. 【対象および方法】膝関節になんら異常を認めない男性60名, 女性40名とした. CA-4000を用い膝90°からの伸展をactiveおよびpassiveに行い, 膝蓋骨に対する脛骨の前方への偏位量を測定した. そしてactiveとpassiveで前方偏位量の差をextension anterior-posterior translation(以下, EA-...

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Veröffentlicht in:リハビリテーション医学 1994, Vol.31 (11), p.807-807
Hauptverfasser: 関矢仁, 三浦敦, 岩崎聡司, 刈谷裕成, 伊勢亀冨士朗, 大井淑雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【目的】近年, 膝関節の前方動揺性を定量的に測定する方法としてKnee Motion Analyzer(CA-4000)が信頼性の高い方法として報告されている. われわれは正常膝で前方動揺性を測定し, 性別, 左右での影響について検討した. 【対象および方法】膝関節になんら異常を認めない男性60名, 女性40名とした. CA-4000を用い膝90°からの伸展をactiveおよびpassiveに行い, 膝蓋骨に対する脛骨の前方への偏位量を測定した. そしてactiveとpassiveで前方偏位量の差をextension anterior-posterior translation(以下, EA-PT)とし, 膝屈曲80°, 60°,40°, 20°および0°での値を測定した. この値を性別, および左右で比較検討した. 【結果】性別, 左右を問わずEA-PTは膝屈曲20°で最大であった. 屈曲20°では男女間に差がなかったが, 0°では女性が, 40°では男性が大きい値を示した. 左右差に関しては性別, 年齢を問わずすべての屈曲角度で左が右に比べ有意にEA-PTは大きい値を示した. 【考察】前十字靱帯損傷は自験例および文献的にも左膝に多くみられる. 従来, 関節弛緩性が高いほど, 前十字靱帯損傷を生じやすいとの報告があり, 今回, 観察された左膝で有意に前方動揺性が大きいとの事実は前十字靱帯損傷の発生になんらかの関係があるものと推察された. また, 男女間では前方動揺性の角度による変化はわずかだが異なる可能性が示唆された.
ISSN:0034-351X