腰部脊髄・脊椎疾患に対する硬膜外脊髄刺激法(SCS)

【目的】高齢者の骨粗鬆症や脊柱管狭窄症, 主婦や中高年の腰椎疾患, 脊椎多数回手術症例, 脊髄損傷などでは, 患者の社会的背景を考慮する時, その治療法の選択に苦慮することが多い. われわれは硬膜外脊髄刺激法(SCS)を導入し, 良好な結果を得ている. 今回, 髄液神経伝達物質との関連性も併せて報告する. 【対象】脊髄・脊椎疾患53例にSCSを施行し, 腰部脊柱管狭窄症12例, 腰椎辷り症4例, 椎間板ヘルニア3例, 骨転移1例, MOB 7例の計27例について検討した. 男性16例, 女性11例, 年齢は28~89歳で罹病期間は6カ月~28年であった. SCSの効果はvisual analo...

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Veröffentlicht in:リハビリテーション医学 1994, Vol.31 (11), p.803-803
Hauptverfasser: 鷲見信清, 土肥信之, 古橋健彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【目的】高齢者の骨粗鬆症や脊柱管狭窄症, 主婦や中高年の腰椎疾患, 脊椎多数回手術症例, 脊髄損傷などでは, 患者の社会的背景を考慮する時, その治療法の選択に苦慮することが多い. われわれは硬膜外脊髄刺激法(SCS)を導入し, 良好な結果を得ている. 今回, 髄液神経伝達物質との関連性も併せて報告する. 【対象】脊髄・脊椎疾患53例にSCSを施行し, 腰部脊柱管狭窄症12例, 腰椎辷り症4例, 椎間板ヘルニア3例, 骨転移1例, MOB 7例の計27例について検討した. 男性16例, 女性11例, 年齢は28~89歳で罹病期間は6カ月~28年であった. SCSの効果はvisual analog scale, JOAスコア, 電気生理学的検査所見, 尿流動態検査所見, サーモグラフィー所見などで判定した. また, SCS前後でのノルエピネフリン(NE), ドーパミン(DA), 5-HIAA, HVA, GABA, アミノ酸などの髄液神経伝達物質検索も行った. 【結果】25例に除痛を認め, 知覚障害, 筋力低下, 痙性, 歩行障害, 排尿障害などの改善がみられた. VASの平均は4, JOAスコアは10.9から20.7と改善した. 髄液検査では, 短期経過でHVA, 5-HIAA, 長期経過でNE, DA, HVAが有意に増加していた. 【考察】SCSでは下行性疼痛抑制系のセロトニン代謝亢進による侵害受容性疼痛の伝達抑制, ドーパミン代謝亢進による脊髄ニューロンの賦活化, 可塑性など脊髄機能の改善が示唆される.
ISSN:0034-351X