単身生活者のリハビリテーション

【目的】当院リハビリテーション(以下, リハ)科では障害をもつ単身者を扱うケースが増えており, 介助者, 行き先など, 問題となることが多い. こうした単身生活者のリハにつき調査検討を行った. 【対象】1987年10月~1993年末に当科から退院した単身生活患者52例(男37, 女15). 【結果】1990年末までの3年3カ月は計22人, それ以降の3年は計29人と増加傾向にあり, 今年は6月14日までに男10人, 女5人が入院. 年齢:52.7±11.9歳. 疾患別:脳卒中39(男28, 女11), 脊(頸)損7(4, 3), 頭部外傷3(3, 0), その他1. 麻痺側:左右差なし. 合併...

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Veröffentlicht in:リハビリテーション医学 1994, Vol.31 (11), p.783-783
Hauptverfasser: 木檜晃, 伊佐地隆, 加勢田美恵子, 鷹野昭士
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【目的】当院リハビリテーション(以下, リハ)科では障害をもつ単身者を扱うケースが増えており, 介助者, 行き先など, 問題となることが多い. こうした単身生活者のリハにつき調査検討を行った. 【対象】1987年10月~1993年末に当科から退院した単身生活患者52例(男37, 女15). 【結果】1990年末までの3年3カ月は計22人, それ以降の3年は計29人と増加傾向にあり, 今年は6月14日までに男10人, 女5人が入院. 年齢:52.7±11.9歳. 疾患別:脳卒中39(男28, 女11), 脊(頸)損7(4, 3), 頭部外傷3(3, 0), その他1. 麻痺側:左右差なし. 合併障害:失語症14, 失行など高次脳機能障害6. 職業:日雇い18(16, 2), 無職10(5, 5), 会社員11(5, 6). 住居:不定7(7, 0), アパート26(18, 8). 単身理由:離婚15(14, 1), 死別7(2, 5). 親族:生活圏にあり31(22, 9), そのうち援助可能15(9, 6). 機能面:Barthel index入・退院時平均(58.7, 84.7). 屋外移動可能(W/C含む)35(25, 10). 復職4(3, 1). 期間:発症から当科入院および退院までの日数について, 単身者とそれ以外とに有意差なく, 当科入院期間は有意差あり. 最終的転帰:単身生活復帰17(14, 3), 親族同居10(6, 4), 施設8(7, 1), 病院10(5, 5), 死亡4(3, 1). 【考察】日本の家族形態が変遷する中で, 未婚率, 離婚率の増加に伴い今後障害をもつ単身生活者は増加が予想される. こうした単身者は, 特に男性であるが, 生活基盤が弱く, 現在の医療福祉環境の中では行き先も限られてしまう. こうした人々に対する援助環境を整備することは重要な課題と考える.
ISSN:0034-351X