頸髄損傷患者における血圧の日内変動と経時的変化について(第2報)

われわれは第28回日本リハビリテーション(以下, リハ)医学会において頸髄損傷患者2例につき, 血圧の日内変動とその経時的変化を報告した. その後症例も増加し, あらためて頸髄損傷患者の血圧が, リハの進行によりどのように変化するかを検討した. 【方法】1990年1月1日~1992年12月末に入院した頸髄損傷患者9例に, 訓練開始後早期と車椅子でのADLがほぼ自立した時期の2回を選び, 24時間血圧計を装着した. 午前6時~午後9時は30分おきとし, 他の時間帯は1時間おきとしてADLの制限はせず, それぞれの時期に応じた訓練を行った. 測定方法はオシロメトリック法を用いた. 【結果】1)収縮...

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Veröffentlicht in:リハビリテーション医学 1993, Vol.30 (12), p.1015-1016
Hauptverfasser: 木檜晃, 伊佐地隆, 加勢田美恵子, 鷹野昭士
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:われわれは第28回日本リハビリテーション(以下, リハ)医学会において頸髄損傷患者2例につき, 血圧の日内変動とその経時的変化を報告した. その後症例も増加し, あらためて頸髄損傷患者の血圧が, リハの進行によりどのように変化するかを検討した. 【方法】1990年1月1日~1992年12月末に入院した頸髄損傷患者9例に, 訓練開始後早期と車椅子でのADLがほぼ自立した時期の2回を選び, 24時間血圧計を装着した. 午前6時~午後9時は30分おきとし, 他の時間帯は1時間おきとしてADLの制限はせず, それぞれの時期に応じた訓練を行った. 測定方法はオシロメトリック法を用いた. 【結果】1)収縮期血圧平均値, 拡張期血圧平均値, 収縮期血圧の日内較差は, 2回目の方が有意に低値を示した. 2)収縮期血圧90 mmHg以下の低血圧出現回数は, 2回目の方が有意に多かったが, 低血圧症状出現回数は有意に減少していた. 3)血圧の日内リズムは, 2回とも正常に近いパターンを示したのは不全頸損の2例であった. 【考察】訓練の進行による座位時間の大幅な増加が, 収縮期および拡張期血圧平均値の低下につながると考えられるが, 日内較差および低血圧症状出現回数の減少は低血圧状態に対する身体の順応が示唆された.
ISSN:0034-351X