在宅脳卒中患者の公職選挙への参加の実態と問題点
【目的】福祉政策充実の基本となる公職選挙への在宅脳卒中患者の参加実態調査を行ったので報告する. 【対象】平成2~3年に当院を退院し, 平成4年11月時点で在宅治療継続中の脳卒中患者64名(男32名, 女32名, 年齢35~85歳, 平均63.6±11.6歳)を無作為に抽出した. 【方法】口頭で意志疎通可能な者には電話で, そうでない者には直接面接して, 本人と家族にアンケート調査を行った. 調査の内容は, 発病前後での政治や選挙への関心の変化, 投票の意志, 棄権の頻度, 棄権の理由, 投票の場所, 方法, 問題点などである. 【結果】1)対象64名中評価可能な回答者55名(86%), 質問に...
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Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | 【目的】福祉政策充実の基本となる公職選挙への在宅脳卒中患者の参加実態調査を行ったので報告する. 【対象】平成2~3年に当院を退院し, 平成4年11月時点で在宅治療継続中の脳卒中患者64名(男32名, 女32名, 年齢35~85歳, 平均63.6±11.6歳)を無作為に抽出した. 【方法】口頭で意志疎通可能な者には電話で, そうでない者には直接面接して, 本人と家族にアンケート調査を行った. 調査の内容は, 発病前後での政治や選挙への関心の変化, 投票の意志, 棄権の頻度, 棄権の理由, 投票の場所, 方法, 問題点などである. 【結果】1)対象64名中評価可能な回答者55名(86%), 質問に対する意志表示不能者9名(14%)で, その主な原因は痴呆・失語であった. 2)以下55名の検討では, 発病前より発病後に政治や選挙への関心が高まった者67%. 3)障害が原因ですべての選挙を棄権している者:自由歩行者で27%, 要装具歩行者で57%, 歩行不能者で80%. 4)棄権の理由:投票所への移動困難, 書字拙劣が多い. 5)投票所内問題点:移動困難, 記入困難が多い. 6)棄権理由や投票所内問題点に書字を挙げた者のうち, 代理投票制度を知る者は22%. 7)不在者投票, 郵便投票利用者:投票意志のある者の6%. 【結論】障害者の棄権率は高く, 主な阻害因子は移動, 書字の障害であるため, 不在者投票, 郵便投票, 代理投票, 補助者による介助などが重要となる. |
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ISSN: | 0034-351X |