病院内転倒事故の調査

病院内での転倒事故を防ぐ目的で, 1992年度1年間の院内転倒事故を調査し, どういう患者がどこでどんな時に転倒を起こすかについて検討した. 1年間に154件, 93例の転倒事故があった. 個人の最多転倒回数は5回である. 93例の入院の主たる疾患は片麻痺51例, 骨関節疾患, 外傷28例, 片麻痺以外の麻痺性疾患7例, 胸腹部内臓疾患3例, その他4例であった. 病棟での実際の移動能力については, 独歩9例, 杖歩行独立17例, 歩行器13例, 車椅子40例, ベッド上のみ14例であった. ベッドよりの起き上がり, 移乗動作については, 自立37例, 要少介助30例, 要多介助20例, 不能...

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Hauptverfasser: 森修, 青木了, 掘尾愼彌, 上原徹, 山村恵子, 山鹿真紀夫, 高田憲志, 緒方敦子, 井手淳二
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:病院内での転倒事故を防ぐ目的で, 1992年度1年間の院内転倒事故を調査し, どういう患者がどこでどんな時に転倒を起こすかについて検討した. 1年間に154件, 93例の転倒事故があった. 個人の最多転倒回数は5回である. 93例の入院の主たる疾患は片麻痺51例, 骨関節疾患, 外傷28例, 片麻痺以外の麻痺性疾患7例, 胸腹部内臓疾患3例, その他4例であった. 病棟での実際の移動能力については, 独歩9例, 杖歩行独立17例, 歩行器13例, 車椅子40例, ベッド上のみ14例であった. ベッドよりの起き上がり, 移乗動作については, 自立37例, 要少介助30例, 要多介助20例, 不能6例であった. 154件の転倒が起きた時間帯を看護勤務で分けると深夜帯66件, 日勤帯60件, 準夜帯28件であった. 場所は病室内110件, 病棟トイレ19件, 訓練室12件などであり, 病棟内における転倒事故の半数は, トイレ動作, トイレへの行き帰りの動作に関連するものであった. 93例のうち痴呆症状を有する者は58例であった. 患者自身が障害を認識せず, 不可能な動作をできると思って行ったために転倒につながったものが33件あった. 片麻痺患者では入院後早期に転倒事故を起こす者が多いように思われた. 骨折に至ったものは4件であった. 以上, 当院における1年間の転倒事故を調査した結果を報告した.
ISSN:0034-351X