mdxマウス骨格筋の燐NMR

【目的】mdx筋ジストロフィーマウスの骨格筋線維のエネルギー代謝に異常がみられるかどうかについては, はっきりとは明らかにされてはいない. 今回, 非侵襲的に代謝の経時的変化を調べることが可能な燐MRS法を用いてmdxマウス骨格筋の代謝を調べた. 【対象および方法】DuchenneまたはBecker型筋ジストロフィー症のモデル動物として注目されているmdx筋ジストロフィーマウスと正常対照マウスの長趾伸筋(EDL)を用いた. 各4匹のマウスより摘出したEDL筋(総重量約50 mg)をリンガー液で灌流しながらMRS装置を用いて燐NMRスペクトルを得た. このままではS/N比が悪いため, 最大エント...

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Hauptverfasser: 武居光雄, 大屋國益, 山本喜昭, 猿渡研一
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【目的】mdx筋ジストロフィーマウスの骨格筋線維のエネルギー代謝に異常がみられるかどうかについては, はっきりとは明らかにされてはいない. 今回, 非侵襲的に代謝の経時的変化を調べることが可能な燐MRS法を用いてmdxマウス骨格筋の代謝を調べた. 【対象および方法】DuchenneまたはBecker型筋ジストロフィー症のモデル動物として注目されているmdx筋ジストロフィーマウスと正常対照マウスの長趾伸筋(EDL)を用いた. 各4匹のマウスより摘出したEDL筋(総重量約50 mg)をリンガー液で灌流しながらMRS装置を用いて燐NMRスペクトルを得た. このままではS/N比が悪いため, 最大エントロピーイメージ再構成法(MEM法)を適用してスペクトルの改善を試みた. 【結果および考察】1) MEM法により測定の時間分解能は約100倍程度改善されることが判明した. 2) mdxマウス筋と正常対照マウス筋の間に静止状態における燐NMRスペクトルにはかなりの差異が認められた. 特に正常マウス筋より得たスペクトルに認められる燐酸ジエステル領域のピークがmdxマウス筋では認められなかった, その他のピークにも差異を認めたが, MEM法上の問題, および各ピークの由来燐化合物の同定についての非常に困難な問題があり, 今後の研究が必要である.
ISSN:0034-351X