脳幹, 小脳周辺部の脳卒中のリハビリテーション
脳幹部脳血管障害の機能予後に関しては成書にもほとんど書かれていない. 昨年locked-in症候群のリハビリテーション(以下, リハ)成績がNorwayから報告されている. 今回著者らはごく最近の症例としてlocked-in症候群3例, Wallenberg症候群2例, 脳幹部の複合病型3例, 小脳型2例について検討した. 小脳を加えたのは, 他の病型でも小脳と共通の症状が出現するので, 対比するためである. 上記10症例はほとんど脳(底部)梗塞症例であり, 発作初期から長い例では2カ月余も全介助の状態である. 一般の脳卒中片麻痺の機能予後として上肢2カ月, 下肢6カ月が目安であるのに比べると...
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Zusammenfassung: | 脳幹部脳血管障害の機能予後に関しては成書にもほとんど書かれていない. 昨年locked-in症候群のリハビリテーション(以下, リハ)成績がNorwayから報告されている. 今回著者らはごく最近の症例としてlocked-in症候群3例, Wallenberg症候群2例, 脳幹部の複合病型3例, 小脳型2例について検討した. 小脳を加えたのは, 他の病型でも小脳と共通の症状が出現するので, 対比するためである. 上記10症例はほとんど脳(底部)梗塞症例であり, 発作初期から長い例では2カ月余も全介助の状態である. 一般の脳卒中片麻痺の機能予後として上肢2カ月, 下肢6カ月が目安であるのに比べると, 脳幹部の場合はプラトーに達する期間は約1年半~2年半くらいを要することが大きな特徴である. ADLまたはBarthel indexによる最終有効機能を病型別にみると, Wallenberg症候群, 小脳CVD, 複合型, そして最後はlocked-in症候群となっている. ここに含まれない脳出血の例には社会復帰した例もあるが, 今回の10例ではADLが不完全独立で, 電車による外来通院可能となった交替性片麻痺例などがある. しかし失調, 構語障害, 眼振などが著明に残っている. リハ効果のもっとも大きくみられたlocked-in症候群の44歳女性では, 3カ月で座位保持できたが首すわりには6カ月を要し, 最終的には2~3年後に特殊レバー付きの電動車椅子使用可能となった. 意欲は良好であるが更衣, 用便, 食事などは介助が必要でBarthel indexは15であった. このような症例群には, 初期から一貫してOTの対応が前面となるべきである. |
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ISSN: | 0034-351X |