超高齢者(90歳以上)大腿骨頸部骨折のリハビリテーション
【目的】高齢者人口は年々増加する傾向にある. 脳血管障害とともに高齢者の寝たきりの主な原因とされる大腿骨頸部骨折の症例も年々増加し, かつ高齢化する傾向にある. そこで今回, 超高齢者(90歳以上)の大腿骨頸部骨折のリハビリテーション(以下, リハ)に関して調査し, 検討したので報告したい. 【方法】症例は昭和61年7月~平成4年12月に入院治療を行った, 90歳以上の大腿骨頸部骨折患者40症例に関して, 入院期間, 退院先, リハによる機能回復の程度, 合併症などの問題点を調査した. 【結果および考察】大腿骨頸部骨折40症例のうち, 内側骨折は10例(男1例, 女9例)で, 外側骨折(転子部...
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Veröffentlicht in: | リハビリテーション医学 1993, Vol.30 (11), p.890-890 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】高齢者人口は年々増加する傾向にある. 脳血管障害とともに高齢者の寝たきりの主な原因とされる大腿骨頸部骨折の症例も年々増加し, かつ高齢化する傾向にある. そこで今回, 超高齢者(90歳以上)の大腿骨頸部骨折のリハビリテーション(以下, リハ)に関して調査し, 検討したので報告したい. 【方法】症例は昭和61年7月~平成4年12月に入院治療を行った, 90歳以上の大腿骨頸部骨折患者40症例に関して, 入院期間, 退院先, リハによる機能回復の程度, 合併症などの問題点を調査した. 【結果および考察】大腿骨頸部骨折40症例のうち, 内側骨折は10例(男1例, 女9例)で, 外側骨折(転子部骨折)は30例(男4例, 女26例)であった. 年齢範囲は90~98歳で, 平均92.3歳であった. 治療法は原則として, 内側骨折に対しては人工骨頭置換術, 外側骨折に対してはコンプレツションヒップスクリュー固定術を行い, リハ訓練は入院後早期, 術前より開始している. 自宅より入院した症例では約4割が受傷前の機能を回復し, 約6割が自宅に退院した. 全体として約1/3の症例が受傷前の機能を回復したが, 3例が死亡した. 痴呆のある症例では機能の回復が困難であった. 90歳以上の超高齢者のため, 心疾患, 高血圧などの合併症も多くみられるが, 全身状態が許されれば, 早期手術により早期離床を図ることが大腿骨頸部骨折のリハにおいて重要であると考える. |
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ISSN: | 0034-351X |