脳性麻痺の腰痛

運動力学的側面より歩容異常を示す脳性麻痺を対象とし, 床反力の生波形のピーク値を測り, 健常者と脳性麻痺を比較し, その結果より脳性麻痺の腰痛について文献的考察を加え報告する. 【対象】脳性麻痺10名, そのうち痙性両麻痺9名, アテトーゼ型1名であり, 年齢は19~30歳まで, 平均年齢23歳であった. 対照は健康な成人24名, 年齢は22~64歳まで, 平均年齢34歳であった. 【方法】床反力計(キスラー社製, 長さ2 m, 幅40 cm)上を自由歩行させ測定した. 3次元での床反力の波形のピーク値は, 臨床歩行分析懇談会編の臨床歩行分析入門の評価方法に従った. 波形の力の成分は体重で除し...

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Veröffentlicht in:リハビリテーション医学 1993, Vol.30 (11), p.802-802
Hauptverfasser: 平田繁, 大浦敏明, 横山一郎, 岡島幹雄, 藤原良江, 島津晃
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:運動力学的側面より歩容異常を示す脳性麻痺を対象とし, 床反力の生波形のピーク値を測り, 健常者と脳性麻痺を比較し, その結果より脳性麻痺の腰痛について文献的考察を加え報告する. 【対象】脳性麻痺10名, そのうち痙性両麻痺9名, アテトーゼ型1名であり, 年齢は19~30歳まで, 平均年齢23歳であった. 対照は健康な成人24名, 年齢は22~64歳まで, 平均年齢34歳であった. 【方法】床反力計(キスラー社製, 長さ2 m, 幅40 cm)上を自由歩行させ測定した. 3次元での床反力の波形のピーク値は, 臨床歩行分析懇談会編の臨床歩行分析入門の評価方法に従った. 波形の力の成分は体重で除し, 対体重比をF%とした. 【結果】鉛直方向のF_1 , F_2 , F_3 では対照の1.20, 0.84, 1.04に対してCPでは1.35, 0.64, 0.93であり, CPではF_1 が大きく, F_2 が小さい. 前後方向ではF_4 , F_5 , F_6 は対照の0.61, 0.14, 0.13に対してCPでは0.11, 0.21, 0.11であり, 左右方向でも同様に足部接地時での山が大きかった. 以上より脳性麻痺では足部接地時での山が大きく, 前後方向では10倍以上, 左右方向では3倍以上であった. 【考察】床反力ピーク値の前後・左右の大きさは遊脚終期から足部接地にかけての腰椎・骨盤の軸方向の回旋が推察され, 足部での衡撃的な接地がみられた. さらに接地時の振動も脳性麻痺の腰痛の動的な要因の一つと考えられた.
ISSN:0034-351X