下垂足症例の検討

【はじめに】下垂足は一般診療において珍しいものではないが, その原因は多種多様であり, 予後もまた一律ではない. 今回, 当リハビリテーション科で下垂足と診断された症例に関し, その予後を含めた検討を行うとともに, 処方装具に対する意識調査を試みた. 【対象と方法】対象は, 平成元年からの約2年間の当科初診患者で下垂足の診断を受けた19例, 平均年齢は43.2歳, 男12例, 女7例であった. 対象患者について, 診療録・直接面談・電話調査などで自覚的症状とその推移, 理学所見, 装具療法の有無とそれに対する意識等を調査, 検討した. 【結果】下垂足は多発外傷時の骨折に伴うものや, 圧迫が原因...

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Hauptverfasser: 吉本有希子, 栢森良二, 九里達夫, 佐々木透, 田中繁, 丸野紀子, 羽田康司, 水島繁美, 三上真弘
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:【はじめに】下垂足は一般診療において珍しいものではないが, その原因は多種多様であり, 予後もまた一律ではない. 今回, 当リハビリテーション科で下垂足と診断された症例に関し, その予後を含めた検討を行うとともに, 処方装具に対する意識調査を試みた. 【対象と方法】対象は, 平成元年からの約2年間の当科初診患者で下垂足の診断を受けた19例, 平均年齢は43.2歳, 男12例, 女7例であった. 対象患者について, 診療録・直接面談・電話調査などで自覚的症状とその推移, 理学所見, 装具療法の有無とそれに対する意識等を調査, 検討した. 【結果】下垂足は多発外傷時の骨折に伴うものや, 圧迫が原因と考えられるもの, また, 神経変性, 神経炎等多彩な病態があった. 初診時前脛骨筋筋力が, 1以下は15症例であり, うち1例が筋力3以上に回復していた. 回復の期間は, 最長で14カ月以内であった. 下肢装具は初診時筋力が1以下であった15例中の11例に処方された. 予後調査が可能であった9例では, 装着期間は平均6.7カ月であった. 装具に対する意識調査では, 全員が肯定的であり, 装具が患者の生活の質を上げたことを積極的に評価した意見も多かった. <質疑応答> 鴇田律(都立北療育医療センター):Shoe hornはjoint付ですか. 三上真弘(共同演者):装具装着の受け入れがよかったのは, 処方前に訓練室にある装具をつけて実際に歩かせ, あった方が歩きやすいことを実感させてから処方したことも一因と考えています.
ISSN:0034-351X