脳卒中患者の入院長期化の背景と臨床像

【目的】脳卒中患者の入院が長期になる理由を明らかにするために, 長期入院脳卒中患者の背景と臨床像を調査した. 【対象および方法】昭和62年1月~平成3年9月までに黎明郷リハビリテーション病院を退院した脳卒中患者2, 165名のうち, 2年以上入院していた全患者(L群, 42例)を対象とした. 対照は, 上記期間中に退院した脳卒中患者から無作意に選び, 在院期間によって以下の4群とした. C-1群(2年未満1年以上, 30例), C-2群(1年未満6カ月以上, 33例), C-3群(6カ月未満3カ月以上, 28例), C-4群(3カ月未満, 26例). 【結果】(1)脳卒中発症から当院入院までの...

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Hauptverfasser: 小松修, 目時弘文, 大池弥三郎, 金沢武道, 西村崇, 田代裕子, 石山隆, 小野寺庚午, 福田道隆
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:【目的】脳卒中患者の入院が長期になる理由を明らかにするために, 長期入院脳卒中患者の背景と臨床像を調査した. 【対象および方法】昭和62年1月~平成3年9月までに黎明郷リハビリテーション病院を退院した脳卒中患者2, 165名のうち, 2年以上入院していた全患者(L群, 42例)を対象とした. 対照は, 上記期間中に退院した脳卒中患者から無作意に選び, 在院期間によって以下の4群とした. C-1群(2年未満1年以上, 30例), C-2群(1年未満6カ月以上, 33例), C-3群(6カ月未満3カ月以上, 28例), C-4群(3カ月未満, 26例). 【結果】(1)脳卒中発症から当院入院までの経過日数は, L群で最大, 対照群中ではC-2群が最小であった. (2)日常生活動作の評価点は, 入院時および退院時ともに在院期間の短い群ほど高値であり, L群で最低値であった. 在院期間中の改善は, C-1群で最良であった. (3)長谷川式痴呆スケールは, 入院時および退院時ともに在院期間の短い群ほど高値であり, L群で最低値であった. 在院期間中の改善はC-2群で最良であり, L群では改善していなかった. (4)Brunnstrom stageおよび上田のgradeは上肢下肢いずれも, 入院時および退院時ともに在院期間の短いほど高値であり, L群で最低値であった. 【結語】入院長期化の大きな因子として, 発症から入院までの期間が長いこと, 日常生活動作の評価点の低値, 麻痺肢の機能低下ならびに長谷川式痴呆スケールの低値であった. <質疑応答> 伊藤秀樹(富山赤十字病院):発症後長期間経過した入院例の入院期間が長期化しているが, 入院時のリハビリテーション目標とプログラムで障害受容をどの時期のレベルで行えるようにするかについて検討されていますか. 小松修:当院は県内で回復不十分な患者がさらなるリハビリテーションを続ける「第三次的」病院であり, 合併症を有する重症例が多く含まれている. 約2%の患者が2年以上の長期入院となっているが, 患者・家族は受容しており, 重症度と受け入れ体制の問題も一因であった.
ISSN:0034-351X