脳血管障害による片麻痺患者における骨萎縮の臨床的研究
【目的】脳血管障害の片麻痺患者の骨粗鬆化の進展は骨折, 疼痛の誘因となり, 患者のADL, QOLを低下させる. 上下肢長管骨皮質骨骨密度, 手指, 足趾の骨密度, 麻痺側, 健側の骨密度の差異, 脊椎の骨密度と麻痺の程度, ADL, 麻痺発症後年数との関係を検討した. 【対象症例】名古屋市の高齢者医療の中核施設である福祉医療センター名古屋市厚生院に入院または入所中の脳血管障害の片麻痺患者50症例を検討した. 【方法】片麻痺の機能評価にはBrunnstromのテストを用いた. 骨密度の測定は第2中手骨では演者らが開発し, 第1回日整会基礎学術集会等で報告した単純X線像による骨塩定量システムを用...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | リハビリテーション医学 1992, Vol.29 (12), p.1082-1083 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 【目的】脳血管障害の片麻痺患者の骨粗鬆化の進展は骨折, 疼痛の誘因となり, 患者のADL, QOLを低下させる. 上下肢長管骨皮質骨骨密度, 手指, 足趾の骨密度, 麻痺側, 健側の骨密度の差異, 脊椎の骨密度と麻痺の程度, ADL, 麻痺発症後年数との関係を検討した. 【対象症例】名古屋市の高齢者医療の中核施設である福祉医療センター名古屋市厚生院に入院または入所中の脳血管障害の片麻痺患者50症例を検討した. 【方法】片麻痺の機能評価にはBrunnstromのテストを用いた. 骨密度の測定は第2中手骨では演者らが開発し, 第1回日整会基礎学術集会等で報告した単純X線像による骨塩定量システムを用い, 足趾の骨密度測定にはmicrodensitometer PDM-5(コニカ)とPC-9800コンピュータ(NEC)上に作製したMD法測定プログラムを用い, MD法に準じ測定した. 上下肢長管骨骨密度測定, 腰椎骨密度測定にはCT装置CTW 3型(日立)にて, ファントムは海綿骨用に中外製薬市販製品を, 長管骨皮質骨用に単結晶アルミナセラミックと水を用いた. 発症後経過年数, ADL, 麻痺側, 健側の骨密度の差異等を汎用医療統計処理システムSAMR 4を用い解析した. 【結果】麻痺発症後年数の経過とともに麻痺側の骨粗鬆化は進行した. 麻痺側と健側の骨粗鬆化の比は上肢で低下傾向が強かった. 荷重歩行が可能な症例では足趾, 下肢の骨萎縮は少なかった. 上肢では骨萎縮に麻痺の関与が大きい傾向があった. 腰椎海綿骨骨密度はADLが保たれていれば比較的骨密度が保たれるが, 年齢, 性差の影響が大きかった. <質疑応答> 発言 三好邦雄(聖マリアンナ医大):拘縮手のMD法は誤差が生じないので特別な配慮が必要です. なお, 推計学的処理の方法を間違えないようにすべきである. 発言長尾竜郎(座長):Brunnstrom stageは順序尺度であるから, 相関係数を出す等は無意味と思う. |
---|---|
ISSN: | 0034-351X |