片麻痺患者の早期長下肢装具療法の検討

【目的】われわれは片麻痺患者の回復期初期に治療用装具としてLLBを積極的に用いてきたので報告する. 【方法】片麻痺86例中下肢装具を処方した者は55例(63.9%)で, このうち早期LLBを用いた28例, 短下肢装具27例で, 早期LLBの28例(右14例, 左14例)を対象とした. LLBの適応基準は全身状態が安定し, 病棟訓練から運動療法室での理学療法となった時点で, 下肢の随意運動がほとんどなく平行棒内での立位保持が不可能な者で, 下肢の支持性の回復に時間を要すると予測した症例を適応としている. LLBはポリプロピレン製SHB付LLBを基本型としている. 【結果】28例中LLBからSHB...

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Hauptverfasser: 鶴見隆正, 山本博司, 谷俊一, 石田健司, 野並誠二
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:【目的】われわれは片麻痺患者の回復期初期に治療用装具としてLLBを積極的に用いてきたので報告する. 【方法】片麻痺86例中下肢装具を処方した者は55例(63.9%)で, このうち早期LLBを用いた28例, 短下肢装具27例で, 早期LLBの28例(右14例, 左14例)を対象とした. LLBの適応基準は全身状態が安定し, 病棟訓練から運動療法室での理学療法となった時点で, 下肢の随意運動がほとんどなく平行棒内での立位保持が不可能な者で, 下肢の支持性の回復に時間を要すると予測した症例を適応としている. LLBはポリプロピレン製SHB付LLBを基本型としている. 【結果】28例中LLBからSHB変更となった者は23例, LLBにとどまった者は5例であった. SHB変更群の発症から理学療法開始までは平均12.7日, 理学療法開始からLLB処方まで11.6日, SHB変更まで44.6日であった. LLBにとどまった群の発症から理学療法開始までは17日, LLB処方まで22.2日であった. SHB変更群の下肢運動機能の変化では装具処方時Brunnstrom stage Iが8例, IIが9例, IIIの初期が6例であったが, 退院時IIが1例, IIIが16例, IVが5例, Vが1例で, 退院時の歩行能力は自立歩行19例, 介助歩行5例, 歩行不能4例であった. このように早期LLB療法は適応を明確にして装具をうまく運動療法に組み入れていくことでより効果的となろう. <質疑応答> 水落和也(横浜市民病院):(1) LLBで自宅退院となった例に対する歩行訓練の指導は行っていますか. (2) SHBになりながら歩行不能だった症例は, LLBのままの方がよかったということでしょうか. 長谷川寿美玲(岡山旭東病院):(1) LLBをSHBに変更した時に痙性が亢進し, 内反が強くSHBでは適合が悪い場合はないですか. (2)処方時にすべてSHB付きでよいのでしょうか.
ISSN:0034-351X