未熟児に対する新生児行動評価の検討

【目的】新生児行動評価法(NBAS)を用いて, 未熟児の新生児行動の特性を調査するとともに, Bayley乳幼児発達スケールを用いてその後の発達経過を調査し, これらのデータを基に, 未熟児に対する早期介入のあり方を検討した. 【対象ならびに方法】対象は未熟児64名, 成熟児21名であった. NBASのデータ処理にはLesterらのクラスター法を用いた. 【結果ならびに考察】正常発達を遂げたAFD 21例, SFD 18例各群の在胎換算40週および成熟児群生後3日目の各クラスター値の比較では, orientationとmotorのクラスター値で有意差があり, 前者では, 1%の危険率で成熟児が...

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1. Verfasser: 穐山富太郎
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:【目的】新生児行動評価法(NBAS)を用いて, 未熟児の新生児行動の特性を調査するとともに, Bayley乳幼児発達スケールを用いてその後の発達経過を調査し, これらのデータを基に, 未熟児に対する早期介入のあり方を検討した. 【対象ならびに方法】対象は未熟児64名, 成熟児21名であった. NBASのデータ処理にはLesterらのクラスター法を用いた. 【結果ならびに考察】正常発達を遂げたAFD 21例, SFD 18例各群の在胎換算40週および成熟児群生後3日目の各クラスター値の比較では, orientationとmotorのクラスター値で有意差があり, 前者では, 1%の危険率で成熟児がSFD, AFDよりも高値を示し, 後者では1%の危険率でAFDがSFD, 成熟児よりも高値を示した. SFD, AFD群在胎換算44週時の各クラスター値の比較では7クラスターのうちorientation, motor, state regulation, reflexesにおいて, 1%の危険率でAFDが有意に高値を示した. また, 補足項目中ストレス徴候が顕著なほど発達指数は低い傾向にあった. 極小および超未熟児の新生児行動は, 1, 500 g以上の未熟児と比較して, 回復曲線の傾きが小さかった. これは, 種々の環境刺激が容易にストレス徴候を引き起こし, 児の行動発達を抑圧することによるものと推察された. 極小未熟児やハイリスク児の早期療育において, 新生児行動の特性を理解し, 個々の児に応じたハンドリングの指導が重要である.
ISSN:0034-351X