脊髄性痙性麻痺における下肢筋出力特性と痙性麻痺評価法の検討
下肢痙性麻痺の定量的評価法としてCybex-IIを用いた評価と膝・足10秒テストを行った. Cybexによる計測は被検者を座位にして, 表面筋電計を膝屈・伸筋に設置して他動および自動的に角速度60°と180°/secで膝関節の屈伸を30秒間行い, ピークトルク値と仕事量のほか, 他動的運動時における誘発筋活動電位波形の面積を痙性量として評価解析した. 膝・足10秒テストは, 臥位にて10秒間に行い得る膝および足関節の自動屈伸回数を両下肢について2~3回測定し, その最大回数の左右平均値を膝・足10秒テスト値として評価した. このCybex-IIデータと膝・足10秒テストの評価値を日整会頸椎症性...
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Zusammenfassung: | 下肢痙性麻痺の定量的評価法としてCybex-IIを用いた評価と膝・足10秒テストを行った. Cybexによる計測は被検者を座位にして, 表面筋電計を膝屈・伸筋に設置して他動および自動的に角速度60°と180°/secで膝関節の屈伸を30秒間行い, ピークトルク値と仕事量のほか, 他動的運動時における誘発筋活動電位波形の面積を痙性量として評価解析した. 膝・足10秒テストは, 臥位にて10秒間に行い得る膝および足関節の自動屈伸回数を両下肢について2~3回測定し, その最大回数の左右平均値を膝・足10秒テスト値として評価した. このCybex-IIデータと膝・足10秒テストの評価値を日整会頸椎症性脊髄症治療判定基準(JOAスコア)と定量性について比較検討した. 対象は, 神経症状を認めない70例のコントロールと脊髄性痙性麻痺75例である. Cybexを用いて他動的筋伸長に伴う痙性度の評価では, 角速度180°/secでは膝伸展相H/Q比は徒手的痙性度との間に相関を認めた. 自動運動時の筋活動電位の評価では膝伸展相Q/H比は麻痺の程度と関係なくほぼ一定値をとるが, 屈曲相H/Q比は下肢運動機能とよく相関した. 一方, 膝・足10秒テストの左右平均値とJOA下肢運動機能とは高い相関を認め, 下肢運動機能は0.2×膝+0.2あるいは0.17×足-0.5としておおむね予測できた. 相拮抗する運動について運動方向や速度を規定し測定時間を一定とすることで, 痙性麻痺の定量的評価が可能である. <質疑応答> 河村守雄(名古屋大医療技術短大部):(1)日常診療で痙性の評価として用いるPTRと, 膝屈筋・伸筋の仕事量の関連はいかがですか. (2)足関節運動の仕事量の評価はなされていますか. 富永俊克:痙性=速度依存性筋伸張反射の亢進, 痙性麻痺=痛み・シビレを含めた上位運動ニューロン疾患そのものであり, 相反性抑制系の障害が主病態であり, 両者を別個に評価する必要があります. 痙性と痙性麻痺の程度は必ずしも相関しません. |
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ISSN: | 0034-351X |