コンピュータによる視覚刺激(時計図形)による半側空間失認患者の反応時間とCNVについて
第28回本学会において, 視覚刺激による随伴性陰性変動(CNV)発現について述べ, 正常成人での成績を発表した. 今回は左半側空間失認患者を対象に検討し, (1)左半側空間失認患者では左半側空間失認のため, 時計針の左回転の方が反応時間の遅延を起こす, (2)CNV値は左回転の方が低値を示す, という2つの仮説を設定し, その実証を試みた. 研究対象はあらかじめ線分試験や他の方法によって決定された半側空間失認患者6名, 非半側空間失認患者が11名である. (1)の仮説は, 左回転時の反応時間は右回転時の反応時間よりも有意に延長(p<0.05)していたことから, 実証された. 半側空間失認患者で...
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Veröffentlicht in: | リハビリテーション医学 1992, Vol.29 (11), p.895-895 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 第28回本学会において, 視覚刺激による随伴性陰性変動(CNV)発現について述べ, 正常成人での成績を発表した. 今回は左半側空間失認患者を対象に検討し, (1)左半側空間失認患者では左半側空間失認のため, 時計針の左回転の方が反応時間の遅延を起こす, (2)CNV値は左回転の方が低値を示す, という2つの仮説を設定し, その実証を試みた. 研究対象はあらかじめ線分試験や他の方法によって決定された半側空間失認患者6名, 非半側空間失認患者が11名である. (1)の仮説は, 左回転時の反応時間は右回転時の反応時間よりも有意に延長(p<0.05)していたことから, 実証された. 半側空間失認患者では, 反応時間のばらつきが多く, 警告刺激ですでにボタンを押したり, 命令刺激後のボタン押しの延長, あるいは消失などが混在し, 刺激に対する過敏あるいは過小反応を示し, 加算可能なよい波形を得るためには多くの試行回数を要する症例も認められた. (2)の仮説は, 半側空間失認では定型的なCNV波形を得ることは少なく, CNVの最大振幅, 面積ともに左右回転の違いによる差を認めず, 半側空間失認患者群と非半側空間失認患者群の間でも有意な差は認めなかった. この原因として, (1)試行回数の増加に伴う患者の疲労の波形への影響, (2)コンピュータ画面の大きさの適否, (3)命令刺激を与える時期の適否などが考慮される. 今後症例を重ねて本検査の有効性を実証していきたい. <質疑応答> 今回の半側空間無視患者は左片麻痺だけですか. 石山隆:左片麻痺, 右片麻痺双方混じっています. 前島伸一郎(和歌山県医大):(1)対照群は左右どちらの半球撮像を用いたか. (2)リリック(S_1 )―光刺激(S_2 )という通常のCNVは記録されているか. |
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ISSN: | 0034-351X |