痙性麻痺による運動障害に対するfacilitation techniques効果の検討(第4報)

【目的】社会生活上で書字動作は重要な動作であり, 脳障害による運動障害患者でこれを阻害する因子の1つである痙性麻痺(impairment)に対するfacilitation techniques(以下, FT)により書字動作(disability)がどのように変化するかについて, 基準化されたBender Gestalt図形を利用し, 検討した. 【対象および方法】対象は脳卒中患者15名15手, 脳性麻痺児7名10手である. FT(上田法/上肢法)の施行前後にデジタイザーの上であらかじめ準備したBender Gestaltテスト法に記載されている2図形を選択し, ペン型記録器でそれをなぞらせ,...

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Veröffentlicht in:リハビリテーション医学 1992, Vol.29 (11), p.867-867
Hauptverfasser: 田澤浩司, 福田道隆, 近藤和泉, 岩田学, 石山隆, 安田肇, 松本茂男, 川口宏二, 村岡真理
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【目的】社会生活上で書字動作は重要な動作であり, 脳障害による運動障害患者でこれを阻害する因子の1つである痙性麻痺(impairment)に対するfacilitation techniques(以下, FT)により書字動作(disability)がどのように変化するかについて, 基準化されたBender Gestalt図形を利用し, 検討した. 【対象および方法】対象は脳卒中患者15名15手, 脳性麻痺児7名10手である. FT(上田法/上肢法)の施行前後にデジタイザーの上であらかじめ準備したBender Gestaltテスト法に記載されている2図形を選択し, ペン型記録器でそれをなぞらせ, その結果をコンピューターで形状および記録速度を測定し, 統計学的処理を行い検討した. なおFTは脳卒中患者ではテスト施行時のみで即時的効果を, 脳性麻痺児には毎日施行し, 即時的・経時的効果について検討した. 【結果および考察】脳卒中患者においては, 図形1においてFT後に描写時間の減少を認めた. 図形の形状についてはmotor incoordinationの大きい症例ほどFT後に改善を認めた. 脳性麻痺児においては, 描写時間はFT直後では有意差を認めなかったが, 経時的観察において減少していた. 図形の形状については一定の傾向を認めなかった. ペンの把持が可能で図形の模写が可能なレベルの脳卒中患者および脳性麻痺児ではFTによる急激な巧緻性の変化が起こりにくいことが推測された. <質疑応答> 越智文雄(防衛医大):ファシリテーションによる手のdisabilityの改善がADL上の改善につながっていますか. 田澤浩司:訓練場面では, FT前にペンの把持がgraspingだったものが, FT後にpen holderに変化したものが認められた. ADL動作の改善に関しては, 具体的に検討しておりません. 今後の課題といたします.
ISSN:0034-351X