重度脳性麻痺患者に対する座位保持装置の工夫

発泡ポリウレタン製のモールド型シートを座位保持困難な重度脳性麻痺患者10例を対象にして作製し, 臨床評価と座圧分布測定を行った. 臨床評価では快適な座位保持が可能となり上肢機能での改善効果を認めた. 座圧分布測定では圧分布の分散効果がみられ, 発泡ポリウレタンのもつ弾力性に富んだ材質によるものと考えられた. 本シートの適応は通常の椅子では座位保持が困難な患者, すなわち脊柱側彎や股関節脱臼を有する者, 筋緊張の低下のために抗重力姿勢保持の困難な者と考えられた. はじめに 重度脳性麻痺患者で, 自力での座位保持が困難な症例に対する座位保持装置の開発では, 呼吸管理や摂食の改善, 四肢体幹の強化,...

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Veröffentlicht in:リハビリテーション医学 1992, Vol.29 (8), p.623-628
Hauptverfasser: 柳迫康夫, 原泰夫, 芝田利生, 松村伸次, 大津慶子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:発泡ポリウレタン製のモールド型シートを座位保持困難な重度脳性麻痺患者10例を対象にして作製し, 臨床評価と座圧分布測定を行った. 臨床評価では快適な座位保持が可能となり上肢機能での改善効果を認めた. 座圧分布測定では圧分布の分散効果がみられ, 発泡ポリウレタンのもつ弾力性に富んだ材質によるものと考えられた. 本シートの適応は通常の椅子では座位保持が困難な患者, すなわち脊柱側彎や股関節脱臼を有する者, 筋緊張の低下のために抗重力姿勢保持の困難な者と考えられた. はじめに 重度脳性麻痺患者で, 自力での座位保持が困難な症例に対する座位保持装置の開発では, 呼吸管理や摂食の改善, 四肢体幹の強化, 側弯や股関節変形の進行防止など健康・身体管理面のみならず, 視野の確保, 手と眼の協調, 上肢の活用といった感覚・運動面に対する配慮が必要である1, 2).
ISSN:0034-351X