リハビリテーションを行った痴呆の1症例から
【症例】 H.K., 76歳, 女性. 【診断】 1)脳血管性痴呆, 2)右大腿骨頸部骨折術後, 3)高血圧, 4)胃粘膜下腫瘍, 5)胆石, 6)低K血症. 【病歴】 1980年, 右大腿骨頸部骨折にて手術施行. 以後, 歩行障害を認める. 同時期より高血圧症として, 薬物治療を続ける. 1987年頃より, 軽度の記銘力低下や失見当識が出現. 1987年7月タール便のため精査. 胃粘膜下腫瘍が見つかり, 保存療法を施行. 同じ頃より痴呆症状が急激に悪化, 徘徊, 夕暮れ症候群, 尿失禁, 弄便などの周辺症状と日常生活の介助が問題となる. 【入院経過】 1990年4月5日に入院. 入院時, 軽...
Gespeichert in:
Hauptverfasser: | , , , , , , , |
---|---|
Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 【症例】 H.K., 76歳, 女性. 【診断】 1)脳血管性痴呆, 2)右大腿骨頸部骨折術後, 3)高血圧, 4)胃粘膜下腫瘍, 5)胆石, 6)低K血症. 【病歴】 1980年, 右大腿骨頸部骨折にて手術施行. 以後, 歩行障害を認める. 同時期より高血圧症として, 薬物治療を続ける. 1987年頃より, 軽度の記銘力低下や失見当識が出現. 1987年7月タール便のため精査. 胃粘膜下腫瘍が見つかり, 保存療法を施行. 同じ頃より痴呆症状が急激に悪化, 徘徊, 夕暮れ症候群, 尿失禁, 弄便などの周辺症状と日常生活の介助が問題となる. 【入院経過】 1990年4月5日に入院. 入院時, 軽度の意識混濁あり. 尿, 血液, 心電図他の諸検査では特記事項なし. 病歴, EEG, 頭部CTから上記診断す. 入院時GBSは計74点(A 15点, B 45点, C 2点, D 12点). 入院後1カ月弱は問題行動が多く, 歩行訓練や排尿誘導を中心に施行. また, 変動の激しい高血圧の薬物療法のコントロールに注意した. その後, 本人の生活歴や希望に合わせてリハビリのプログラムを組み直していった. 同年6月15日に自宅退院. GBS 22点(A 5点, B 10点, C 3点, D 4点). 排尿は自立し, ADL全体に自立. 【結語】 問題行動が多く, 集中力に乏しい重度の痴呆には, 本人の状態に応じてプログラムを組む必要性あり. 集団より個別のプログラムがより有効であり, 医療スタッフの増員が必要. <質疑応答> 古橋健彦(藤田学園保健衛生大七栗サナトリウム):スタッフ基準として理想的にはリハビリ科のDr.の参加を述べられましたが, 具体的にはリハ医に何を期待されていらっしゃるのでしょうか. |
---|---|
ISSN: | 0034-351X |