成長期脊柱後彎症の治療経験

過去8年間に虎の門病院脊椎専門外来で扱った治療対象となる成長期後彎症は29例であった(20゜以上の側彎合併例は除外してある). 内訳は, ステロイド治療による椎体多発骨折:2例, 先天性後彎症:1例, 外傷性後彎症:1例, 椎弓切除後彎形:1例, 巨大乳房合併後彎症:1例, その他23例はScheuermann病またはScheuermann類似の変化を示す成長期後彎症であり, その診断はBradfordらのcriteriaを参考とした. 初診時年齢は9~16歳(平均12.2歳), 男女比は約1:1であった. 先天性後彎症の男児に手術的治療を施行した以外はすべて保存的治療を行ってきた. その内容...

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Veröffentlicht in:リハビリテーション医学 1991, Vol.28 (12), p.1068-1068
Hauptverfasser: 三上凱久, 青野千寿子, 藤森三四郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:過去8年間に虎の門病院脊椎専門外来で扱った治療対象となる成長期後彎症は29例であった(20゜以上の側彎合併例は除外してある). 内訳は, ステロイド治療による椎体多発骨折:2例, 先天性後彎症:1例, 外傷性後彎症:1例, 椎弓切除後彎形:1例, 巨大乳房合併後彎症:1例, その他23例はScheuermann病またはScheuermann類似の変化を示す成長期後彎症であり, その診断はBradfordらのcriteriaを参考とした. 初診時年齢は9~16歳(平均12.2歳), 男女比は約1:1であった. 先天性後彎症の男児に手術的治療を施行した以外はすべて保存的治療を行ってきた. その内容は, ギプス矯正, ブレース治療を主とし, 体操・姿勢指導を補助的治療として処方した. Scheuermannグループの5割を含む8例で, 18歳以上までの追跡を終了し得た. このうち2例はミルウォーキープレースで治療, 1例は体操と姿勢指導のみ, 残り5例はアンダーアームブレースで治療された. 最終矯正率は平均31.0%と比較的良好であった. アンダーアームプレースは, 胸椎後彎に対しては有効性が少ないとされているが, 少なくともT_8 以下に頂椎のある成長期後彎に対しては, われわれのアンダーアームプレースは有効で, 良好な治療成績を示した. 頂椎がT_9 以上にあるScheuermann病や, ステロイド使用による椎体多発骨折例には, ミルウォーキーブレースが勧められる. <質疑応答> 沖貞明(愛媛大):一般に先天性後彎ではブレースの効果はないといわれています. 手術前の2年間に使われていますが, その間の効果はどうだったでしょうか. 田島規子(座長):ミルウォーキーやアンダーアーム装具はdrop outが多いが, どのように教育しているか.
ISSN:0034-351X