環軸関節回旋位固定に対する頸椎装具の使用経験
【目的】 環軸関節回旋位固定は, 小児に多くみられ, 自然治癒をみないものに対し頸椎伸展位での持続牽引後頸椎装具による固定, 難治例に対して観血療法にての固定が行われている. 今回われわれは持続牽引施行の小児に対し, 試作した頸椎伸展位保持装具使用にて良好な結果を得たので報告する. 【症例1】 5歳女児. 1990年11月17日咽頭炎にて内科受診. 咽頭痛軽快するも両頸部痛・右回旋不能にて近医で理学療法施行するも軽快せず, 12月6日初診となる. 入院にて5日間頸椎伸展位にての持続牽引と牽引中移動時に伸展位装具使用. 疼痛消失再発傾向なく, 退院後2週間の装具療法にても良好であった. 【症例2...
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Zusammenfassung: | 【目的】 環軸関節回旋位固定は, 小児に多くみられ, 自然治癒をみないものに対し頸椎伸展位での持続牽引後頸椎装具による固定, 難治例に対して観血療法にての固定が行われている. 今回われわれは持続牽引施行の小児に対し, 試作した頸椎伸展位保持装具使用にて良好な結果を得たので報告する. 【症例1】 5歳女児. 1990年11月17日咽頭炎にて内科受診. 咽頭痛軽快するも両頸部痛・右回旋不能にて近医で理学療法施行するも軽快せず, 12月6日初診となる. 入院にて5日間頸椎伸展位にての持続牽引と牽引中移動時に伸展位装具使用. 疼痛消失再発傾向なく, 退院後2週間の装具療法にても良好であった. 【症例2】 2歳男児. 1991年1月28日頸部痛斜頸にて初診. 同日入院頸椎伸展位保持装具装着にて臥床. 翌1月29日亜脱臼改善しており疼痛消失. 装具装用にて退院. 以後再発傾向はみられていない. 【装具の適応】 発症後2~3日目に外来受診した者に対し, 24時間の牽引と装具療法. 1~2週後受診した者に対し, 4~5日の持続牽引と退院後2週間の装具装用が必要と思われる. 【結果】 今回, 小児環軸関節回旋位固定に対し簡便な頸椎伸展位保持装具を試作し, 持続牽引と併用することにより入院中の管理(牽引中のトイレ動作等装着が簡単なため可能となった)がしやすくなり, 伸展位が保持できるため入院期間の短縮になり得た. また簡便なため既製品での使用も可能であると考える. <質疑応答> 田島規子(座長):牽引はおとなしくするか. 平野哲也:小さい小児を対象としているため, なかなか難しい面もあるが, 今回牽引中の動作(トイレ等)を楽にするためこの装具を作成した. 冨永積生(島根県立中央病院):症例2のX線では後屈位が強すぎるのでは. 平野哲也:亜脱臼については検討を加えているが, 後屈位の程度については今後検討していきたいと思う. |
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ISSN: | 0034-351X |