瞬目反射(blink reflex)の記録方法の検討
瞬目反射におけるR_2 の潜時の決定は筋電図の混入, 潜時の動揺がみられ, 困難であるとされている. 今回は, 瞬目反射の記録に工夫を加え, アーチファクトの混入を防ぎ, より安定した記録方法を検討したので報告する. 【対象】 対象は健常人18例で, 男性10例, 女性8例, 計18例である. 年齢は21~47歳, 平均28.5歳である. 【方法】 当科での瞬目反射はElectronic stimulator 3F46と, Isolator 5384を用い, microswitchでat randamに刺激を行い, 刺激部位である三叉神経第一枝の近傍に広範囲にアースを設置した. このアースがな...
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Veröffentlicht in: | リハビリテーション医学 1991, Vol.28 (12), p.1057-1058 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 瞬目反射におけるR_2 の潜時の決定は筋電図の混入, 潜時の動揺がみられ, 困難であるとされている. 今回は, 瞬目反射の記録に工夫を加え, アーチファクトの混入を防ぎ, より安定した記録方法を検討したので報告する. 【対象】 対象は健常人18例で, 男性10例, 女性8例, 計18例である. 年齢は21~47歳, 平均28.5歳である. 【方法】 当科での瞬目反射はElectronic stimulator 3F46と, Isolator 5384を用い, microswitchでat randamに刺激を行い, 刺激部位である三叉神経第一枝の近傍に広範囲にアースを設置した. このアースがなければR_*1もR_2 も不明瞭となり, 個々の症例において刺激位置を選ばなければならない. 記録はSignal Processor 7T18(三栄)を用い, 分析時間は100 msec. 周波数帯域は20 Hz~3 kHzとした. 【結果】 1)R_2 の潜時を決定しにくくする筋電図の混入を少なくするために刺激は必要最小限度のものでなければならず, 滑走電流を防止し, 容易に波形を明らかにするための広範囲なアースが不可欠と思われる. 2)osciloscopeを観察しながら刺激を加えることで, よりアーチファクトを減じることが可能である. 3)さらに, R_2 の初期成分が不明瞭な場合には10~50回の加算を行い, 消失しないことを確認した後にR_2 の成分であると判断するように心掛けることが必要である. 3)従来, R_2 は, 潜時の動揺が大きいといわれているが, 被検者が覚醒していることを確認しながら行うと, 同一被験者のR_2 の潜時の動揺はほとんどみられなかった. <質疑応答> 本多知行(川崎医大):blink reflexは基本的にV⇔VIIの反射と思われます. これで嚥下障害を検査すると第I期に関与する筋群の変化しか検査できないように思います. 咽頭期障害の患者にblink reflexをどう利用していったらよいのかご教示ください. 栢森良二(帝京大):R_2 の変化はR_2 の成分すべての遅れなのか. 紫藤泰二:分析時間を200 msec以上とし観察してみると, R_2 の持続時間は短縮しており, 潜時の遅延したものは, ほとんどが初期成分が脱落した結果と思われます. 高橋秀寿(慶応大月が瀬リハセンター):(1)健常人のR_*1, R_2 の潜時はどれくらいでしたか. (2)嚥下障害患者のデータはどうでしたか. 紫藤泰二:(1)R_*1は正常人で7~8 msecが平均で, 動揺はほとんどない. R_2 は27~28 msecで, 同一被検者ではせいぜい2 msec以内のようです. (2)今回は, 時間の都合で省略しましたが, 嚥下障害以外にも, 意識レベル, 歩行能力などとの関連も得られています. |
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ISSN: | 0034-351X |