片麻痺患者の大腿骨頸部骨折(第2報)
熊本託麻台病院開院以来1990年12月までに入院した片麻痺患者に起こった大腿骨頸部骨折について調査した. この間に入院した頭部骨折の総数は407例でこのうち片麻痺患者に起こったものは44例で約11%である. 骨折型は内側骨折25例, 外側骨折19例, 右片麻痺22例, 左片麻痺22例であった. 麻痺側骨折は37例, 非麻痺側7例である. 年齢分布は53~91歳で70歳台が多く女性が8割を占める. 片麻痺発症より2年までに受傷するものが約半数を占める. 片麻痺発症の原因となった脳血管障害の7割が脳梗塞であった. 受傷時自宅にいるもの22例, 病院14例, 老人ホーム6例, 老健施設2例であり,...
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Veröffentlicht in: | リハビリテーション医学 1991, Vol.28 (11), p.957-957 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 熊本託麻台病院開院以来1990年12月までに入院した片麻痺患者に起こった大腿骨頸部骨折について調査した. この間に入院した頭部骨折の総数は407例でこのうち片麻痺患者に起こったものは44例で約11%である. 骨折型は内側骨折25例, 外側骨折19例, 右片麻痺22例, 左片麻痺22例であった. 麻痺側骨折は37例, 非麻痺側7例である. 年齢分布は53~91歳で70歳台が多く女性が8割を占める. 片麻痺発症より2年までに受傷するものが約半数を占める. 片麻痺発症の原因となった脳血管障害の7割が脳梗塞であった. 受傷時自宅にいるもの22例, 病院14例, 老人ホーム6例, 老健施設2例であり, 病院にいる人はいわゆる深夜帯にトイレ動作とその行き帰りに受傷することが多い. 治療前後の歩行能力については転倒前独歩または杖歩行自立が33例, 要介助歩行1例, 歩行器が4例, 車椅子が6例であった. 治療後の歩行能力は上記の順に23例, 3例, 2例, 12例であり更に寝たきり2例, 死亡2例であった. 受傷前歩行自立者で片麻痺についてのデータが十分である24例について, 治療後の歩行能力を悪化させるものは外側骨折で片麻痺発症後2年以内のものであった. <質疑応答> 前島伸一郎(藤田保健衛生大):(1)どの程度のADLレベルの人に骨折が多いのかという疫学的検討はなされましたか. (2)痴呆は病前に評価したのですか. 骨折後に評価したのですか. 森修:(1)術前, 片麻痺の移動能力レベルがどのくらいの人に転倒が起こりやすいのかについてはみていません. (2)痴呆についてはリハ開始時に判定しました. 川村次郎(大阪労災病院):片麻痺例の頸部骨折について, 訓練上の問題点や, 何か工夫されていたら教えてください. |
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ISSN: | 0034-351X |