第5頸髄節支配領域に障害を示した47例の電気生理検査所見
1988~1990年に電気生理検査を行った症例のうち, 第5頸髄節支配領域に障害を示し, 治療経過で臨床診断が明らかになった47例について, 電気診断の有用性, 特に鑑別診断と予後推定の可能性について検討した. 最終的な臨床診断は, 頸椎症性神経根症6例, 腕神経経叢損傷14例, 腋窩神経麻痺9例, 肩甲上神経麻痺4例, 筋皮神経麻痺1例, 運動ニューロン疾患6例, radiation neuropathy 3例, neuralgic amyotrophy 2例であった. 電気生理検査としては, 主に針筋電図を施行し, 症例によってはエルブ点刺激による誘発筋電図も記録した. 臨床上, 鑑別診断...
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Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | 1988~1990年に電気生理検査を行った症例のうち, 第5頸髄節支配領域に障害を示し, 治療経過で臨床診断が明らかになった47例について, 電気診断の有用性, 特に鑑別診断と予後推定の可能性について検討した. 最終的な臨床診断は, 頸椎症性神経根症6例, 腕神経経叢損傷14例, 腋窩神経麻痺9例, 肩甲上神経麻痺4例, 筋皮神経麻痺1例, 運動ニューロン疾患6例, radiation neuropathy 3例, neuralgic amyotrophy 2例であった. 電気生理検査としては, 主に針筋電図を施行し, 症例によってはエルブ点刺激による誘発筋電図も記録した. 臨床上, 鑑別診断が問題になったのは, 頸椎症性神経根症に対する, 1)腱板損傷, 2)肩甲上神経や腋窩神経の絞扼性障害, 3)運動ニューロン疾患, 4)radiation neuropathy, 5)neuralgic amyotrophyであった. 1)~3)では, 針筋電図における神経原性変化の分布をみることで鑑別が有用であった. すなわち, 1)腱板損傷では, 神経原性変化がでない. 2)絞扼性神経障害では, 障害筋以外のC_5 支配筋に異常がない. 3)運動ニューロン疾患では, C_5 支配筋以外にも異常を認めるということから判断できた. しかし, 4), 5)については, 電気診断上の鑑別は不能であった. 予後の推定については, 針筋電図で脱神経電位が頻発していた例には回復しない例もあり, また回復した例でも長期間を要していた. <質疑応答> 中角祐治:傍脊柱筋の針筋電図は, 手技的にむずかしいので, あまりやっておりません. |
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ISSN: | 0034-351X |