高齢者における筋力評価法筋力テスト, 筋断面積とADLの関連について
【目的】今日, 筋力評価法として徒手筋力テスト(MMT)が一般的に用いられているが, これを高齢者に同等に用いることは問題がある. 今回, 高齢者のより容観的な評価法としてTension MeterとCTを用い, そのADL評価と対比したので報告する. 【対象】入院中の高次脳機能障害のない65歳以上の高齢者43名を対象とした. 痴呆症, 脊椎変形は除外した. これらの患者をADLにより4群(1群;独歩可能, 2群;介助歩行, 3群:坐位保持, 4群;寝たきり)に分けた. 筋力評価は, Tension Meterを用いて, 背筋・腸腰筋・大腿四頭筋の筋力を測定した. 筋断面積はCTを用い, 第3...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | リハビリテーション医学 1990, Vol.27 (7), p.757-757 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 【目的】今日, 筋力評価法として徒手筋力テスト(MMT)が一般的に用いられているが, これを高齢者に同等に用いることは問題がある. 今回, 高齢者のより容観的な評価法としてTension MeterとCTを用い, そのADL評価と対比したので報告する. 【対象】入院中の高次脳機能障害のない65歳以上の高齢者43名を対象とした. 痴呆症, 脊椎変形は除外した. これらの患者をADLにより4群(1群;独歩可能, 2群;介助歩行, 3群:坐位保持, 4群;寝たきり)に分けた. 筋力評価は, Tension Meterを用いて, 背筋・腸腰筋・大腿四頭筋の筋力を測定した. 筋断面積はCTを用い, 第3腰椎での腰筋・腰方形筋・脊椎起立筋・横突棘筋の断面積を測定した. 各ADL群とTension Meterの測定値, 筋断面積との関係について検討した. 【結果】Tension Meterによる背筋力と脊椎伸筋群の面積は正の相関があった. 各ADL群と筋力の関係は, 背筋力は1群・2群との間には差はなかったが, 1・2群と3群の間には差があった. 4群はTension Meterでは測定不可で, 筋力評価法としては不適であった. ADLと筋面積との関係では, 1群~4群とも筋断面積に差はなかった. 【考察】高齢者における筋力評価法は, 患者の意欲の低下や易疲労性によりMMTなどの検査法ではかなりばらつきがある. 客観性のある検査法としてCTを用い形態的に筋面積から筋力評価を試みたが, 幹筋では予想以上に筋萎縮が進んでいなかった. 質問 林泰史(座長):徒手筋力テストは老人に適していないのでTension Meterを使われたとのことですが, これも結局は有効性が少ないとのようです. 結局, 老人の筋力を測定する適当な方法はないということでしょうか. 答 宮本洋:(1)Tension Meterも4群(寝たきり)の人では有効でなかった. (2)Tension Meterと徒手筋力テストの比較はしていない. |
---|---|
ISSN: | 0034-351X |