重度・重複障害児・者の在宅医療と生命管理

重度・重複障害児・者は早期に療育を始めても, 障害の改善は難しい. 私達は療育に参加し, 生命維持のできなかった50例を中心に, 在宅療育の問題点を検討した. 【対象】基礎疾患には脳性麻痺31例(62%), 染色体異常6例(12%), 神経筋疾患6例(12%)およびその他である. 性別は男29, 女21例であった. 死亡年齢は0歳から45歳に及ぶ. 【結果】死亡原因は呼吸器障害が32例(64%)〔肺炎25例(78.1%), 誤嚥6例(18.8%)〕で, 循環器障害の7例(14%)は心不全である. 死亡年齢は4歳までの群にややピークがみられ, 幼児期医療の難しさを示している. 重症度では寝たきり...

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Veröffentlicht in:リハビリテーション医学 1990, Vol.27 (7), p.728-728
Hauptverfasser: 藤本輝世子, 山形恵子, 山本恵子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:重度・重複障害児・者は早期に療育を始めても, 障害の改善は難しい. 私達は療育に参加し, 生命維持のできなかった50例を中心に, 在宅療育の問題点を検討した. 【対象】基礎疾患には脳性麻痺31例(62%), 染色体異常6例(12%), 神経筋疾患6例(12%)およびその他である. 性別は男29, 女21例であった. 死亡年齢は0歳から45歳に及ぶ. 【結果】死亡原因は呼吸器障害が32例(64%)〔肺炎25例(78.1%), 誤嚥6例(18.8%)〕で, 循環器障害の7例(14%)は心不全である. 死亡年齢は4歳までの群にややピークがみられ, 幼児期医療の難しさを示している. 重症度では寝たきりで, 一部しかコミュニケーションがとれないような重症児・者は37例(74%)いた. これより生命維持の必要な例の多いことが分かる. 【考案】様々な要因の関与が考えられるが, 今回は, 1)食餌, 2)呼吸, 3)消化器障害の3点を強調する. 1)食餌は体調の回復に伴い, 内容を向上させていく配慮が必要である. 2)呼吸:感染症の予防と共に脊柱や胸部の変形を予防し, 腹式呼吸の援助が必要である. 3)消化器障害:ストレスに対する配慮や逆流を予防する体位への介護も軽視できない. 【まとめ】生活環境は個々人により様々であるが, 危険に対する注意は各個人に合わせ, 具体策を検討し, 少しでも危険を防ぎたい. 答 藤本輝世子:(1)医療管理と生活指導の相互作用の結果と思われる. (2)1/3は在宅死亡であり, 大半は病院死亡である. (3)体力面を考慮するが, 小児科との協力の元に行い, 問題があれば訪問にきりかえていく.
ISSN:0034-351X