脳卒中に伴う嚥下障害に対する“口腔ネラトン法”を応用した治療と管理
合併する嚥下障害に対し“口腔ネラトン法”を応用した脳卒中15例について検討した. 麻痺側は右3, 左7, 両5. 合併症は痴呆が6例と多く, 嚥下障害の型は, 咽頭型7, 咽頭口腔型8, 治療開始は107±75病日, 治療期間は69±56日であった. 本法開始時, 全例経鼻経菅栄養の状態であったが, 13例(87%)で経鼻栄養チューブを抜去できた. 軟口蓋・咽頭反射, 発声, 水のみテストなビ50%以上の症例で嚥下機能の改善が得られた. 症状の変化に応じて, 口腔から挿入するチューブの太さや挿入の深さを変えた. チューブの挿入は1日1~4回行い, 嚥下能力の進んでいく症例では並行して嚥下障害食...
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Zusammenfassung: | 合併する嚥下障害に対し“口腔ネラトン法”を応用した脳卒中15例について検討した. 麻痺側は右3, 左7, 両5. 合併症は痴呆が6例と多く, 嚥下障害の型は, 咽頭型7, 咽頭口腔型8, 治療開始は107±75病日, 治療期間は69±56日であった. 本法開始時, 全例経鼻経菅栄養の状態であったが, 13例(87%)で経鼻栄養チューブを抜去できた. 軟口蓋・咽頭反射, 発声, 水のみテストなビ50%以上の症例で嚥下機能の改善が得られた. 症状の変化に応じて, 口腔から挿入するチューブの太さや挿入の深さを変えた. チューブの挿入は1日1~4回行い, 嚥下能力の進んでいく症例では並行して嚥下障害食を漸増した. 1回1回のチューブ挿入が訓練として, 本人・家族・看護婦に好感をもつて迎えられた. 40%の症例で, 本法を終了し得た. 本法は, 脳卒中に伴う嚥下障害において, 経鼻栄養から容易には嚥下障害食にもっていくことが困難な症例で試みられて良い. 咽頭反射の弱い症例は最適で, 反射が出てきてチューブの挿入が困難になればなるほど, あるいは口腔相の代償能力が伸びるほど, 摂食嚥下能力が向上する. しかし, 問題は, 本法のみでの管理から前進できない重症例に対してであり, そのまま本法を続ける, 経鼻栄養に戻す, 胃・十二指腸瘻を造る, 声門閉鎖術など行う, 等の選択肢から使い分けていく必要があろう. 質問 久留米大吉田哲二:口腔ネラトン法により, 発声持続時間が改善した理由は. 答 木佐俊郎:発声時間については確かに本法の効果をみる直接的指標にはなりません. 質問 慶応義塾大才藤栄一:気管内にtubeを入れてしまうことはないか. 答 木佐俊郎:(1)機能障害に対して働きかけている側面があると考えます. (2)今までのところ気管への挿入のトラブルは起こしていません. |
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ISSN: | 0034-351X |