頸筋断面積の定量的解析について
【目的】MRIを用いて, 健常者と頸髄症および頸椎部手術後の患者に対し, 頸筋断面積を計測し知見を得たので報告する. 【対象と方法】健常者78例, 頸髄症患者20例(椎間板ヘルニア12例, 頸椎症性脊髄症4例, OPLL 4例), 頸椎部手術患者10例(前方法5例, 後方法5例)にMRIを施行した. 方法はC4椎体高位で椎体と垂直になるようにスライスし, 後屈筋として頭半棘筋と頸半棘筋を, 前屈筋として胸鎖乳突筋と長頸筋の断面積を計測した. 断面積の比較は全例右側とした. 用いたMRIは永久磁石型0.2 T(日立社製)で, T_1 強調(TR 750, TE 38)にて撮像した. 【結果】健常...
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Veröffentlicht in: | リハビリテーション医学 1990, Vol.27 (7), p.664-665 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】MRIを用いて, 健常者と頸髄症および頸椎部手術後の患者に対し, 頸筋断面積を計測し知見を得たので報告する. 【対象と方法】健常者78例, 頸髄症患者20例(椎間板ヘルニア12例, 頸椎症性脊髄症4例, OPLL 4例), 頸椎部手術患者10例(前方法5例, 後方法5例)にMRIを施行した. 方法はC4椎体高位で椎体と垂直になるようにスライスし, 後屈筋として頭半棘筋と頸半棘筋を, 前屈筋として胸鎖乳突筋と長頸筋の断面積を計測した. 断面積の比較は全例右側とした. 用いたMRIは永久磁石型0.2 T(日立社製)で, T_1 強調(TR 750, TE 38)にて撮像した. 【結果】健常者では各筋の断面積が年齢と負の相関を, 身長・体重と正の相関を示し, 男女間で有意の差を認めた. 頸髄症群と健常者群は, 各筋とも有意の差を認めなかった. 頸髄症群と前方法による手術群は, 各筋とも有意差を認めなかったが, 後方法による手術群は, 頭半棘筋と胸鎖乳突筋の断面積が大きい傾向を示した. 【考察】頸筋が年齢・身長・体重と相関を示し, 男女間で有意差を認めたことより, 頸筋断面積を評価する際にはそれらの要素を考慮する必要があると思われる. 頸髄症において頸筋の筋力が低下するとの報告があり, 筋力低下とともに萎縮が起こることが予想されたが, 健常者との有意差は認められなかった. また, 手術操作によっても, 頸筋の萎縮が出現しない可能性が示唆された. 質問 聖マリアンナ医大青木治人(座長):手術例については, 術前・後は計測されたかどうか, されていればその結果はどうでしたでしょうか. 質問 湘南鎌倉病院近藤光一:後方手術にて, 非手術例, 前方手術例と比較して筋の断面積が大きいのはなぜとお考えですか. 答 鈴木正弘:後方法, 特に椎弓切除においては頸半棘筋の付着部が切除されているため, 筋力が低下している可能性がある. そのためその代償として, 同じ後屈筋である頭半棘筋が筋力を増し断面積が大きくなっているのではないかと思われる. 胸鎖乳突筋についてはその理由は不明であり, 今後さらに症例数を増やして検討していきたい. |
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ISSN: | 0034-351X |