車椅子の交付状況について

【目的】近年, 京都市での車椅子の交付が増加の傾向にある. そこで, 1984年から1988年までの過去5年間に当センターで処方した車椅子709件のうち確認できた318件(約45%)について調査し, その状況を報告する. 【方法】交付された障害者の障害等級, 年齢, 疾患について, 処方された車椅子の種類(普通型, 手押し型, スポーツ型等), 素材(アルミ製, ステンレス製, 鉄製等), 発注形式(注文品, 既製品)を比較し検討した. また, 処方の年間比較についても行った. 【結果】障害等級について車椅子の種類をみると, 等級が上がるに従いスポーツ型, 手押し型が増加し, 素材ではアルミ製...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Hauptverfasser: 増田和人, 伊藤鐵夫, 田中大也, 瀬名波良永
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:【目的】近年, 京都市での車椅子の交付が増加の傾向にある. そこで, 1984年から1988年までの過去5年間に当センターで処方した車椅子709件のうち確認できた318件(約45%)について調査し, その状況を報告する. 【方法】交付された障害者の障害等級, 年齢, 疾患について, 処方された車椅子の種類(普通型, 手押し型, スポーツ型等), 素材(アルミ製, ステンレス製, 鉄製等), 発注形式(注文品, 既製品)を比較し検討した. また, 処方の年間比較についても行った. 【結果】障害等級について車椅子の種類をみると, 等級が上がるに従いスポーツ型, 手押し型が増加し, 素材ではアルミ製が増加し, 発注形式では注文品が増加した. 年齢については若年層, 青壮年層では普通型(スポーツ型を含む), アルミ製, 注文品が, 高年齢層では手押し型, 鉄製, 既製品が特徴的であった. 疾患では脳血管障害, 脊髄損傷, 脳性麻痺の順であり, 男女比は全体で1.21:1で男性が若干多かった. また, 各年間の比較では手押し型の処方比率が普通型に比し毎年増大していく傾向にあった. 【考察】基本的には障害程度が重度化するに従い車椅子はコンパクト化, 軽量化していくようである. ただ, 高齢者に対する鉄製既製品の処方が若干目立っている. この件に関しては精神身体障害の重度化だけではなく, 介護者の状態を含めた今後の検討が必要である. 質問 兵庫県リハセンター中島咲哉:(1)車椅子交付の地域的特性はどうか. (2)兵庫県では手押し型の適応者でも, 在宅訓練ということで普通型を希望する傾向がみられるが, 京都ではどうか. 答 増田和人:(1)当センターは都市型のリハセンターで, 農村部での車椅子の交付状況については分かりません. ただ京都市でも車椅子の交付は年々増加傾向にあり, 必ずしも農村部だけが増加の傾向にあるとは思えません. (2)当センターに来られる方で片手駆動型の車椅子を希望して来られている方がいますが, 片麻痺患者では重い, コンパクトではない, 操作性が悪いことから, 普通型に乗ってもらい, 片手, 片足で十分操作可能であると指導しています.
ISSN:0034-351X