ヘミスパイラルタイプ短下肢装具の使用経験(アンケート調査の結果)

私達は, ヘミスパイラルタイプ短下肢装具(以下HSO)を痙性麻痺にも積極的に用いてきた. その使用状況と問題点を検討するため, アンケート調査を行い結果をまとめた. 症例は1987年5月より1989年9月までに当院でHSOを作製した46例で, 全例の本人および家族から回答を得た. 平均年齢は62.4歳で, 46例中男性は34例, また痙性麻痺は39例あり, 発症からHSO作製までの期間は2週から20年であった. HSOを退院後6カ月以上使用しているものは29例(63.0%)あり, そのうち26例(83.6%)は使用用途を屋外や歩行訓練に限定していた. 坐り動作等で邪魔になるため, 家屋内でHS...

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Hauptverfasser: 水井伸子, 東條猛
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:私達は, ヘミスパイラルタイプ短下肢装具(以下HSO)を痙性麻痺にも積極的に用いてきた. その使用状況と問題点を検討するため, アンケート調査を行い結果をまとめた. 症例は1987年5月より1989年9月までに当院でHSOを作製した46例で, 全例の本人および家族から回答を得た. 平均年齢は62.4歳で, 46例中男性は34例, また痙性麻痺は39例あり, 発症からHSO作製までの期間は2週から20年であった. HSOを退院後6カ月以上使用しているものは29例(63.0%)あり, そのうち26例(83.6%)は使用用途を屋外や歩行訓練に限定していた. 坐り動作等で邪魔になるため, 家屋内でHSOを使用するものは少なかった. 退脱後HSOをほとんど使用していない9例では, 65歳以上で装着後充分な訓練が行えなかったものが多く, 高齢者での訓練の重要性を示唆していた. HSOの使用中止の理由として麻痺の改善をあげたものは9例あったが, 使用中止群22例は継続群と比べ, 調査時の歩行能力に有意差はなかった. 両群の年齢や麻痺, 発症から装用までの期間にも有意差はなく, HSO使用を継続するか否かは患者の生活環境やライフスタイルによると推測された. 装具に対する要望は多様で, 入院時に退院後の生活を100%推測することは困難であり, きめ細かな対応と経過観察が装具の活用を高めうるだろう. 質問 京都市身障者リハセンター増田和人:長靴を使用する患者でヘミスパイラルブレースを使用される時の工夫はあるでしょうか. 質問 川崎医大長屋政博:2年4カ月でヘミスパイラル装具46例というのは, 少し多いように思いますが, この期間にどれくらいの装具作製をされたのか, それとヘミスパイラル装具の適応はCVAでどの程度の麻痺レベルに対してであるか. 答 水井伸子:(1)長靴の工夫:はき口の部分の拡がる特別のタイプの長靴を使用したりしています. また軽症例では長靴を装具の代用としているものが多いようです. (2)CVAの割合:同期間に当院で作製した短下肢装具は50例です. 通常の靴型, 靴ベラ式短下肢装具が適応になると思われる患者, 長下肢装具適応患者以外のすべてにヘミスパイラルタイプを用いています.
ISSN:0034-351X