歩行時の腰部における運動解析
歩行は下肢帯全体の協調運動によるスムーズな前方移動であり, 下肢における各種の運動器疾患により歩容は変化する. 今回アニマ社製ジャイロセンサー式回転角度計を用いて, 健常成人(コントロール群)と変形性膝関節症々例(OA群)について歩行時の下肢の動きによる体幹への影響を調べるため, 腰部における3次元的運動を測定し, 比較検討を行った. 対象は健常成人20例, OA群10例であり, OA群は膝以外に愁訴のない著明な内反膝を呈する症例で, 3例を除いて5~15°と軽度の屈曲拘縮を認めた. 測定方法は, 考案したベルトでセンサーを腰部・下肢帯に装着し, 腰部3方向, すなわち水平面, 矢状面, 前額...
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Veröffentlicht in: | リハビリテーション医学 1990, Vol.27 (7), p.646-646 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 歩行は下肢帯全体の協調運動によるスムーズな前方移動であり, 下肢における各種の運動器疾患により歩容は変化する. 今回アニマ社製ジャイロセンサー式回転角度計を用いて, 健常成人(コントロール群)と変形性膝関節症々例(OA群)について歩行時の下肢の動きによる体幹への影響を調べるため, 腰部における3次元的運動を測定し, 比較検討を行った. 対象は健常成人20例, OA群10例であり, OA群は膝以外に愁訴のない著明な内反膝を呈する症例で, 3例を除いて5~15°と軽度の屈曲拘縮を認めた. 測定方法は, 考案したベルトでセンサーを腰部・下肢帯に装着し, 腰部3方向, すなわち水平面, 矢状面, 前額面の角度変化を測定, 同時に股関節, 膝関節角度も測定した. 測定に際しては約7 mの歩行路に設置された大型床反力計上を自由歩行させ, 同時に時間因子も記録した. その結果, まずコントロール群では腰部の回旋角度は7.4°±3.1°, 前後屈角度は3.7°±0.8°, 側屈角度は3.0°±1.3°であったが, OA群では側屈角度が4.4°±1.7°と健常者に比べ有意に大きくなる傾向を認めた. そこで側屈角度に影響を与えると思われる各指標との相関について検討してみると, 歩行速度, 歩幅, 歩隔, 立位FTAには相関は認められなかったが, 屈曲拘縮の程度との相関が高かった. 質問 長崎大松坂誠應:腰部側屈と膝不安定性, 筋力との関係はどうでしたか. 答 小野崎晃:実際のtrustの幅, 位置変化は今回は行っていない. 筋力も同様である. 質問 聖フランシスコ病院鈴木良平:OA群で水平面内での回旋角度が小さいのは, 歩幅の小さいことによるものと考えられますか. 答 小野崎晃:回旋角がOA群で小さくなるのは歩幅が小さくなるためです. しかし両群に明らかな有意差はありませんでした. |
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ISSN: | 0034-351X |