脳卒中患者に対するfacilitation techniques 効果の検討(第3報)
【対象症例】黎明郷リハビリテーション病院に入院中の脳卒中患者をfacilitation群(平均65.3±10.1歳, 発症からの期間は平均4.9±2.7カ月), 健側強化訓練群(平均57.4±13.5歳, 発症からの期間9.1±6.0カ月), 通常訓練群(平均60.0±12.4歳, 発症からの期間6.8±1.4カ月)の3群に分類した(各10名). 【測定方法】(1)facilitation群では上肢に対する20分間の術施行前後に, デジタイザーの上であらかじめ準備した円形または菱形をなぞらせ, その結果をコンピューターで, 形状, 周径, 面積, 記録速度を測定した. (2)2週間後, 4カ月...
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Veröffentlicht in: | リハビリテーション医学 1990, Vol.27 (7), p.616-616 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【対象症例】黎明郷リハビリテーション病院に入院中の脳卒中患者をfacilitation群(平均65.3±10.1歳, 発症からの期間は平均4.9±2.7カ月), 健側強化訓練群(平均57.4±13.5歳, 発症からの期間9.1±6.0カ月), 通常訓練群(平均60.0±12.4歳, 発症からの期間6.8±1.4カ月)の3群に分類した(各10名). 【測定方法】(1)facilitation群では上肢に対する20分間の術施行前後に, デジタイザーの上であらかじめ準備した円形または菱形をなぞらせ, その結果をコンピューターで, 形状, 周径, 面積, 記録速度を測定した. (2)2週間後, 4カ月後, 6カ月後に同様の測定を行い, その変化について検討した. (3)通常訓練群, 健側強化群では訓練前に測定し, 経時的に観察した. 【結果】(1)23名のfacilitationの即効はBrunnstrom stage III以下で著明に認められた. (2)この即効は症例によっては180分以上継続した. (3)10症例の経時的図形記録の分散分析では, facilitation群の長期的効果は有意に認められなかった. (4)面積/速度比が1.1以上となった症例数は治療が進むに従って増加していた. (5)健側強化群, 通常訓練群との有意な訓練効果の差は認められなかった. 【結語】(1)facilitation techniquesの即効および長期的効果を, 自覚的のみならず他覚的にも検討する必要がある. (2)今回の検討では各群間の有意の差は認めなかった. (3)条件を一定にし検討する必要がある. facilitationの意義についても述べた. 質問 福岡県身障者リハセンター大川義照:(1)facilitationは片麻痺に対して結果的には有効か. (2)CPと, 脳卒中後遺障害者に対するfacilitation施療に関しては, 同様に考えて良いか. CP関係施設ではfacilitationは定着しているが, 脳卒中関係施設(Hpも含む)では反対意見が根強いようですが. 答 福田道隆:(1)facilitationすることで患者は上肢が軽くなると言っており, 他覚的にも術前に比し面積/記録速度比は大になっているので効果は十分ある. したがってkinematicsの立場からは十分意義のある方法と思う. (2)CVAでは臥床により健側下肢, 上肢のdisuse atrophyを生じ, これがCPと違うのではないか. 質問 慶応義塾大月が瀬リハセンター園田茂:facilitationを行うために増す訓練時間などの労力(コスト)を考慮しても, facilitationをとりいれる価値を認めていらっしゃるのでしょうか. 答 福田道隆:本調査は上肢に対しfacilitationを20分行ったものであるので, 一般的には20分のfacilitationの後に動作訓練を行えば効果が得られると思われる. |
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ISSN: | 0034-351X |