慢性腰痛のManagementとしての腰痛学校について
腰痛学校は施行方法に特徴を持たせつつ, 種々行われているが, その成果については文献的にも賛否両論があり, 成績にかなりの差を認める. 我々は成績向上のための工夫として, 次のことを実行している. 1)patient selection:対象者は慢性腰痛を訴えるもので, 手術適応がなく, cognitive approachに理解を示すものが良い. 2)心身医学的アプローチ:学校を単なるback care educationとせず, 心理療法的効果も重視する. 3)これらの方法を有効に行うためには, できるだけ小人数によるグループ教育が良い. 慢性腰痛を訴える患者の中には心理的加重への配慮を必...
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Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | 腰痛学校は施行方法に特徴を持たせつつ, 種々行われているが, その成果については文献的にも賛否両論があり, 成績にかなりの差を認める. 我々は成績向上のための工夫として, 次のことを実行している. 1)patient selection:対象者は慢性腰痛を訴えるもので, 手術適応がなく, cognitive approachに理解を示すものが良い. 2)心身医学的アプローチ:学校を単なるback care educationとせず, 心理療法的効果も重視する. 3)これらの方法を有効に行うためには, できるだけ小人数によるグループ教育が良い. 慢性腰痛を訴える患者の中には心理的加重への配慮を必要とするものが多く, 治療に難渋することがある. このようなときに腰痛学校は治療の一環として良い適応となる. 慢性腰痛にて腰痛学校を受講した42例について受講後アンケート調査したところ, 心理的加重を有する慢性腰痛においては痛みの減少よりも痛み行動(pain behavior)の改善に有効であった. 腰痛体操は筋緊張の改善とともに適切な運動による腰部の過保護からの脱却という行動療法的効果を認めた. 腰痛学校を成功させるためにはpatient selectionと心身医学的アプローチが必要であり, この方法により約93%に何らかの疼痛改善効果を認めた. 質問 高知医大山本博司:集団で行う「学校」は, 心理面的なことでとらえる場合, 個々の状況が違うのでperson to personの指導が良い場合もありますが, 集団で行うriskはどうでしょうか. 答 大木健資:我々の施行方式は現在までのところ, グループ精神療法的効果をも期待して, 数名以下のできるだけ小人数で施行している. 心理的要素の特に強い症例には普通の診療活動の中で個別に, 継続的に対応している. 質問 東海大本田哲三:腰痛教室は, 疼痛患者の認知面へのアプローチが中心とされている. 痛み行動の改善は従来行動変容プログラムが主流であった. 先生の対応は, 認知療法中心と考えていいのでしょうか. 答 大木健資:本来の腰痛学校の目的であるback care educationによる身体的効果と心理療法的効果の双方を期待して行っている. 質問 岩崎敬雄(座長):腰痛体操を毎日長続きさせるための工夫は何かあるか. 温熱や投薬などの併用はしているのか. 答 大木健資:腰痛体操を継続して行わせるための工夫は特に行っておりません. 質問 富山県高志リハ病院石井勉:心理的アプローチは具体的にはどのように行っているのか. 家族療法, グループ療法, 認知療法などあるが. 答 大木健資:痛みとは何かという講義の中で, 痛みの神経学的側面と心理学的側面の存在を認識してもらうことが最も重要な心理療法的意義と考える. |
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ISSN: | 0034-351X |