1. L-Pシャント術を施行した正常圧水頭症の二次元脳電図による検討
【目的】当院ではここ数年間, 特発性あるいは続発性の正常圧水頭症(以下NPHと略)が疑われる症例に対し, L-Pシャント術を施行してきた. 二次元脳電図は脳波活動を, 各周波数帯域別に, 半定量的, 二次元的に表示したもので, 脳機能を客観的に把握できる長所を有している. L-Pシャント術を行ったNPH患者の二次元脳電図の作成および各部位のパワースペクトル分析を行い, その特徴および術前術後の変化を検討した. 【対象および方法】当院入院患者で, 臨床症状およびメトリザマイド脳槽CTにてNPHが疑われ, 1988年9月以降当院にてL-Pシャント術を施行し, 合併症なく症状の改善が得られた12名を...
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Veröffentlicht in: | リハビリテーション医学 1989-09, Vol.26 (5), p.344-344 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】当院ではここ数年間, 特発性あるいは続発性の正常圧水頭症(以下NPHと略)が疑われる症例に対し, L-Pシャント術を施行してきた. 二次元脳電図は脳波活動を, 各周波数帯域別に, 半定量的, 二次元的に表示したもので, 脳機能を客観的に把握できる長所を有している. L-Pシャント術を行ったNPH患者の二次元脳電図の作成および各部位のパワースペクトル分析を行い, その特徴および術前術後の変化を検討した. 【対象および方法】当院入院患者で, 臨床症状およびメトリザマイド脳槽CTにてNPHが疑われ, 1988年9月以降当院にてL-Pシャント術を施行し, 合併症なく症状の改善が得られた12名を対象にした. 対照群としては, 健康人, および症状や頭部CTにてNPHを伴わないと判断された慢性期脳卒中患者を用いた. 脳波記録は日本電気三栄製のトポグラフィーNo.200を用い, シャント施行例は術前, 術後1週間, 術後1ヵ月に記録した. 【結果】NPH症例は, 正常例およびNPHを伴わない脳卒中患者に比べ頭頂部のθ波が強く, 後頭部のα波が弱かった. L-Pシャント術後1週間で頭頂部θが有意に減少し, 後頭部αは増加する傾向があった. 術後1ヵ月では後頭部αも有意に増加していた. これらの術後の変化は, 痴呆症状の改善が得られた患者ほど大きい印象をうけた. 【結論】二次元脳電図はNPHの診断および術後の経過をみる補助検査として有用である. 質問 秋田脳研 佐山一郎:(1)L-Pシャントにより臨床症状の改善はあったのか. (2)NPHで臨床症状の改善をL-Pシャントで期待できるケースを本当に脳波トポグラフィーで診断できるのか. 答 柳井荘緑:今回の症例はすべて術後臨床症状の改善がみられたもので, それは, いわゆるNPHの診断基準に当てはまるものです. 脳波所見の改善の得られたものは, 痴呆症状の改善があったものより大きかったように思いましたが, 症状の改善との関連は今回検討していません. |
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ISSN: | 0034-351X |