13. 片麻痺のターン能力(第2報)
私達は片麻痺患者の歩行の応用的な能力としてターンを調べてきた. 今回は健康人との比較を行いさらに分析をすすめた. 方法は健康成人の男子37名(22~55歳, 平均34.5歳)と片麻痺患者43名(男35名, 女8名, 38~79歳, 平均58.2歳)を対象とした. U字形のコース(直線4m, 半径75cmの半円)を片麻痺患者では普通と最大努力で歩き, 健康人ではさらに走を加えた. 直線3メートルの部分と半円部分からそれぞれ速度を求め, また, 半円部分の通過に要したステップ数から解析をした. その結果, 以下のことが明らかとなった. (1)速歩きでは麻痺側が外側でターンする方がその反対よりも速い...
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Veröffentlicht in: | リハビリテーション医学 1989-07, Vol.26 (4), p.254-254 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 私達は片麻痺患者の歩行の応用的な能力としてターンを調べてきた. 今回は健康人との比較を行いさらに分析をすすめた. 方法は健康成人の男子37名(22~55歳, 平均34.5歳)と片麻痺患者43名(男35名, 女8名, 38~79歳, 平均58.2歳)を対象とした. U字形のコース(直線4m, 半径75cmの半円)を片麻痺患者では普通と最大努力で歩き, 健康人ではさらに走を加えた. 直線3メートルの部分と半円部分からそれぞれ速度を求め, また, 半円部分の通過に要したステップ数から解析をした. その結果, 以下のことが明らかとなった. (1)速歩きでは麻痺側が外側でターンする方がその反対よりも速い. 健康人では走を除いて左ターンが速かった. (2)麻痺の程度(Brunnstrom stage)による比較では, stage 4とstage 5との間にターンと歩行の能力に大きな違いがみられた. (3)歩行とターンの速度の間に, 健康人では曲線回帰が想定されたが, 片麻痺では直線回帰で比例関係がみられた. (4)よって, 片麻痺のターンは, 健康人にみられるターン特性よりも歩行の特性に強く支配されていると考えられる. (5)ターンコースを通過するに必要なステップ数が片麻痺では多く, ステップの効率が明らかに低い. 質問 長崎大 鈴木良平:麻痺側が外側の方が回りやすいということは麻痺側の分回し歩行と関係がありませんか. 答 高木秀峯:患側外回りのターンが速いのは, 重心が健側にシフトしておりターンしやすいためと考える. |
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ISSN: | 0034-351X |