4. 頸髄損傷に対する神経学的・機能的評価法
頸髄損傷の完全・不全麻痺における頸髄残存機能をいかに評価するか, 従来の評価法を検討し, 私どもの評価法を掲げた. 頸髄損傷の神経学的・機能的評価法としてFrankelやMaynardのそれが一般的に用いられる. 運動・知覚とも完全麻痺か, 知覚か運動が残存する不全麻痺か, あるいは回復がみられるか, 歩行が可能か, などが区分されるが, その段階内の, あるいは段階間の麻痺度の差が大きく包括され, あまりにも粗大な評価法であることから, より細部まで表示する評価法を求めた. 麻痺型はSchneiderのそれを骨子として5型に分類し, 麻痺度を3度, a, b, cと分けた. 神経学的・機能的...
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Veröffentlicht in: | リハビリテーション医学 1989-07, Vol.26 (4), p.227-228 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 頸髄損傷の完全・不全麻痺における頸髄残存機能をいかに評価するか, 従来の評価法を検討し, 私どもの評価法を掲げた. 頸髄損傷の神経学的・機能的評価法としてFrankelやMaynardのそれが一般的に用いられる. 運動・知覚とも完全麻痺か, 知覚か運動が残存する不全麻痺か, あるいは回復がみられるか, 歩行が可能か, などが区分されるが, その段階内の, あるいは段階間の麻痺度の差が大きく包括され, あまりにも粗大な評価法であることから, より細部まで表示する評価法を求めた. 麻痺型はSchneiderのそれを骨子として5型に分類し, 麻痺度を3度, a, b, cと分けた. 神経学的・機能的分類はFrankelとMaynardのものを参考にし, grade C, Dを上肢, 下肢の運動性から3度に分けた. 脊髄機能レベルはZancolliの分類をとり入れた. 損傷型を骨傷性・非骨傷性に区分し, その程度を記号化した. すなわち脱臼をLx, 骨折Fx, 脱臼骨折LxFx, 椎間板損傷dc・rp, 頸椎症spl, OPLLなどと表示した. 麻痺型をI~V型と表示, 麻痺度をa, b, cとからませた. 日常生活上重要な食事動作E, 歩行能力W, その障害度をa, b, cと区分した. これに脊髄機能レベルたるZancolliの分類をからませた. 表示型がC5-6 Lx2・C6a・Va・Eb・WcはC5-6間脱臼2度でC6aレベルの残存機能があり, 横断性損傷型の完全麻痺で, 食事は自助具で可能だ歩行は不能を示す. 私どもの評価法は頸髄損傷における残存脊髄機能をより細部まで反映する. 表示化することで経時的統計処理しやすく, 直ちに評価が可能である. 追加発言 国療村山病院 大谷清(座長):Frankel分類が一般に使われるが, もっと的確な評価法が望まれる. |
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ISSN: | 0034-351X |