15. ラットにおける体性感覚誘発電位測定法の基礎的検討-硬膜上局所双極誘導の有用性について
【目的】ラットの後脛骨神経刺激による体性感覚誘発電位導出を試み, 安定した記録法を確立した. 【方法】SD雄ラット(300-350g)の左後肢アキレス腱を電極間距離4mmの双極電極にて持続時間0.1mS, 頻度11Hz, 1-3mAの矩形波を用いて刺激した. 頭部導出は右脳硬膜上より, (1)非頭部基準電極による単極誘導, (2)双極誘導(電極間距離3mm), (3)局所双極誘導(同0.5mm)の3方法を用いた. 導出部位は, (1)ではBregmaの右外側2mm(Pm), その前方5mm, 外側方5mm, 後方5mmの4点とした. (2)ではBregmaの右外側1mmの点を中心に3mm間隔で...
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Veröffentlicht in: | リハビリテーション医学 1988-11, Vol.25 (6), p.445-446 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】ラットの後脛骨神経刺激による体性感覚誘発電位導出を試み, 安定した記録法を確立した. 【方法】SD雄ラット(300-350g)の左後肢アキレス腱を電極間距離4mmの双極電極にて持続時間0.1mS, 頻度11Hz, 1-3mAの矩形波を用いて刺激した. 頭部導出は右脳硬膜上より, (1)非頭部基準電極による単極誘導, (2)双極誘導(電極間距離3mm), (3)局所双極誘導(同0.5mm)の3方法を用いた. 導出部位は, (1)ではBregmaの右外側2mm(Pm), その前方5mm, 外側方5mm, 後方5mmの4点とした. (2)ではBregmaの右外側1mmの点を中心に3mm間隔で矢状方向に4点, 冠状方向に3点の計7点をとり, 各点間の電位を双極誘導で記録した. (3)では(1)と同一部位より導出したが, 基準電極(+)を尾側, 記録電極(-)を吻側とした. 記録は分析時間50mS, 周波数帯域10Hz-10KHzとし, 加算回数は(1)では512-1,024回, (2)では256回, (3)では64-128回にて行った. 【結果】すべての導出法で潜時16.3±1.9mS(n=8)の陽性波(P16)が刺激と反対側のparietal regionに導出された. 双極誘導ではPm点で位相の逆転を認めた. 周波数帯域などの導出条件を変えてもP16より短い潜時にresponseは得られず, P16は刺激と反対側のcortexないしsubcortexにgenerator sourceを有するnear field potentialであり, 末梢神経刺激に対するparietal cortexのprimary responseと考えられた. 局所双極誘導は導出に要する時間が短い, artifactが少なく波形が安定である等の点で最も優れていた. 質問 リハ加賀八幡温泉病院 山口昌夫:(1)麻酔の影響はないか. (2)頭蓋骨上または脳皮質直上からの導出はされているか. 答 菊池進:(1)ネンブタール麻酔の影響は調べていないが, 麻酔施行後30分以内に測定は終了できるので, 個々のケースで麻酔の影響によるデータのばらつきは考慮しなくてもよいと思う. 直腸温はかなり影響し, 3℃低下すると約2msec延長する. (2)双極誘導ではamplitudeで比較するのは困難で, 潜時のみで比較していくのがよいと考える. |
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ISSN: | 0034-351X |