11. 老人病院での機能維持訓練

脳血管障害や下肢の骨折をおこした老人は, リハ訓練を受け歩行が可能となっても, 老人病院へ転院する者が少なくない. 意欲の低下や歩行不安定の患者はベッドで過ごす時間が長くなり機能低下をきたしやすい. 昭和62年6月より老人病院で機能維持を目的にグループ訓練を行い, その効果を検討した. 【対象と方法】脳血管障害22例, 大腿骨骨折6例, RA3例, Parkinson病2例, その他11例の計44例(平均年齢79.9歳)を約10名のグループ4群にし, 1回50分, 週1-2回の訓練を医師と看護婦で行った. 訓練は椅子坐位を原則として円になり, ビーチボールのパス, 体操を行った後, 個別の能力...

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Veröffentlicht in:リハビリテーション医学 1988-11, Vol.25 (6), p.430-431
1. Verfasser: 長谷川寿美玲
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:脳血管障害や下肢の骨折をおこした老人は, リハ訓練を受け歩行が可能となっても, 老人病院へ転院する者が少なくない. 意欲の低下や歩行不安定の患者はベッドで過ごす時間が長くなり機能低下をきたしやすい. 昭和62年6月より老人病院で機能維持を目的にグループ訓練を行い, その効果を検討した. 【対象と方法】脳血管障害22例, 大腿骨骨折6例, RA3例, Parkinson病2例, その他11例の計44例(平均年齢79.9歳)を約10名のグループ4群にし, 1回50分, 週1-2回の訓練を医師と看護婦で行った. 訓練は椅子坐位を原則として円になり, ビーチボールのパス, 体操を行った後, 個別の能力に合わせてマット運動 歩行訓練を行った. 【結果】他の病院からの転院は29例で, このうちリハ訓練を20例が受けていたが歩行が自立していたのは6例であった. 訓練の効果は, 寝たきりであった6例のうち3例が平行棒内歩行が監視下で, 1例が歩行器での歩行が可能となり, 車椅子群15例中4例が歩行可能となった. 3ヵ月以上と訓練を受けた29例のアンケートでは14例(48.3%)で訓練効果ありとの回答を得た. 上肢の動きが改善(7例), 歩行しやすい, 車椅子への移乗が自立, 精神面での効果などが挙げられた. 高齢者では疲労に注意し, 楽しみながら続けられるグループ訓練が機能維持に必要である. PTのいない老人病院へ紹介する時は看護婦が実施できる簡単な訓練を紹介するなどの連携が必要である. 質問 京都市身障リハセンター 増田和人:グループ分けの基準は何か, 各グループの訓練内容の違いはあるでしょうか. 答 長谷川寿美玲:(1)グループ分けは疾病別よりも運動機能によっている. 病棟による配慮もしている. (2)個別の訓練としては患者のニーズに合わせて行っている. (3)移送の問題については, 扱っていないのでわかりません.
ISSN:0034-351X