2.廃用性筋萎縮の病理学的検討
膝関節障害のため大腿四頭筋に廃用性筋萎縮を認め, 整形外科的手術が予定されており, さらに患者が術中に大腿四頭筋筋生検を行うのに同意した10症例に対し, 組織化学的検索を行った. 摘出した筋組織は, 液体窒素で冷却したイソペンタンで急速に凍結し, クリオスタットにて8または10μの連続切片を作製し, H&E, Gomori Trichrome Reaction, Sudan Black B, PAS, NADH-Tetrazolium Reductase, Adenosine Triphosphatase, Alkaline Phosphatase, Acid Phosphatase,...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | リハビリテーション医学 1987-09, Vol.24 (5), p.275-276 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 膝関節障害のため大腿四頭筋に廃用性筋萎縮を認め, 整形外科的手術が予定されており, さらに患者が術中に大腿四頭筋筋生検を行うのに同意した10症例に対し, 組織化学的検索を行った. 摘出した筋組織は, 液体窒素で冷却したイソペンタンで急速に凍結し, クリオスタットにて8または10μの連続切片を作製し, H&E, Gomori Trichrome Reaction, Sudan Black B, PAS, NADH-Tetrazolium Reductase, Adenosine Triphosphatase, Alkaline Phosphatase, Acid Phosphatase, Non-specific Esteraseなどの組織化学的染色を施行した. 10例中4例は明らかな筋萎縮を認めないが, 平均年齢が41.5歳, 廃用の期間が14.7ヵ月であり, 少なくとも2ヵ月以上の筋力強化訓練が施行されていた. 5例はtypeII筋線維に著しい筋萎縮を認め, 平均年齢が59.6歳, 廃用の期間が59.6ヵ月であり, 訓練は未施行かまたは十分に施行されていなかった. しばしば扁平に萎縮した筋線維が認められ, 末梢神経障害の病理所見に類似していたが, Non-specific esteraseで陰性であり, 廃用性筋萎縮によるものと考えられた. 1例は膝複合靱帯損傷のため膝動揺性があり, typeI筋線維の軽度の筋萎縮が認められた. 質問 広島大畑野栄治:group atrophyなどの神経原性所見は観察されましたか. 答 蜂須賀研二:末梢神経障害の影響は, EMG, ATPaseによるtype groupingの有無, Non-specific esteraseによって, 可能な限り除外するようにしている. ただし, 微細な末梢神経障害の影響は完全には否定しきれない. |
---|---|
ISSN: | 0034-351X |