9.新しいプラスチック製下肢装具の試み-Short Shoe Horn Brace(Short-SHB)
内反尖足に対する装具療法として短下肢装具のもつ役割は大きい. 今回従来から用いられているプラスチック製短下肢装具(Shoe Horn Brace:SHB)にさらに可動性を与えたShort-SHBを考案作製し, 歩行分析などでSHBと比較し, その処方適応についても検討した. 材質は厚さ4mmのポリプロピレンを真空成形し, デザインでは高さをアキレス腱と腓腹筋筋腹の移行部より5~10mm下とし背屈10°で踵部をくりぬき, つま先はMT部までとした. 処方症例は脳卒中23例, 脳性麻痺5例, 家族性痙性麻痺2例である. 歩行分析の結果ではSHBとの比較では患側のsingle stance phas...
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Veröffentlicht in: | リハビリテーション医学 1986-11, Vol.23 (6), p.305-305 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 内反尖足に対する装具療法として短下肢装具のもつ役割は大きい. 今回従来から用いられているプラスチック製短下肢装具(Shoe Horn Brace:SHB)にさらに可動性を与えたShort-SHBを考案作製し, 歩行分析などでSHBと比較し, その処方適応についても検討した. 材質は厚さ4mmのポリプロピレンを真空成形し, デザインでは高さをアキレス腱と腓腹筋筋腹の移行部より5~10mm下とし背屈10°で踵部をくりぬき, つま先はMT部までとした. 処方症例は脳卒中23例, 脳性麻痺5例, 家族性痙性麻痺2例である. 歩行分析の結果ではSHBとの比較では患側のsingle stance phaseの割合が増し, double stance phaseの割合が減り全体として歩行速度も増し正常パターンに近づいていた. また下肢各部の矯正の度合を角度でみると, SHBでは膝関節以下のコントロールが可能であるが, Short-SHBでは膝関節のコントロールはできず足関節以下のコントロールとなることが示された. 以上より, Short-SHBの適応としては, 内反尖足を徒手矯正でき, 立脚期の膝ロッキングがなく, 足部クローヌスがあまり強くない症例が適応と考えられた. Short-SHBの利点としてSHBと比較すると, 軽量小型であること, 足継手に機械的jointがなく耐久性に優れていると考えられること, 階段を昇る時やしゃがみ立ちなどの応用動作が容易であることが示された. 逆に欠点として膝の矯正まではできたいことなどがあげられた. 質問, 追加 埼玉県障害者リハセンター高木博史:我々も3年前より同様のものを使用し, 一昨年の義肢装具研究会にSemi-Shoe-Horn Braceとして報告している. 2点質問したい. (1)踵部を開窓したことに対するお考え, (2)後壁の高さを決めるについての根拠. 答 前田真治:(1)踵部をくりぬいたのは, 当初は靴をはけるようにと考えていたが, 経過を見るうちに踵部の感覚刺激により感覚統合がたされる症例が認められた. (2)高さは後方制動の力の分散がないようにアキレス腱の部分を最大限に生かしたために移行部より5~10mm下とたった. |
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ISSN: | 0034-351X |