1. 慢性関節リウマチ患者の歩行と活動性

【目的】慢性関節リウマチ(RA)患者の中には, 多関節痛のため日常生活の活動性の低下がみられ, 下肢機能を中心とした歩行能力はそれを決定する重要な指標と思われる. 今回はRA患者の歩行と日常生活の活動性についてエネルギー代謝面より検討を行った. 【対象】外来通院中のRA患者20例(男2, 女18). 平均年齢49.7歳(40~60歳)で, Class 2, 3を対象とした. 対照群は平均年齢46.6歳の健常人10名である. 【方法】運動負荷は, 20mの屋内歩行路を利用して被検者の歩行しやすい速度での5分間往復歩行を行わせ, 歩行距離, 歩行スピード, step length, 歩行時消費エネ...

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Veröffentlicht in:リハビリテーション医学 1986-07, Vol.23 (4), p.202-202
Hauptverfasser: 出口義宏, 木村千仭
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:【目的】慢性関節リウマチ(RA)患者の中には, 多関節痛のため日常生活の活動性の低下がみられ, 下肢機能を中心とした歩行能力はそれを決定する重要な指標と思われる. 今回はRA患者の歩行と日常生活の活動性についてエネルギー代謝面より検討を行った. 【対象】外来通院中のRA患者20例(男2, 女18). 平均年齢49.7歳(40~60歳)で, Class 2, 3を対象とした. 対照群は平均年齢46.6歳の健常人10名である. 【方法】運動負荷は, 20mの屋内歩行路を利用して被検者の歩行しやすい速度での5分間往復歩行を行わせ, 歩行距離, 歩行スピード, step length, 歩行時消費エネルギー(ダグラスバッグ法), 分時心拍数, 血圧を測定した. また24時間心拍メモリー装置で日常生活の活動性を観察した. 【結果】1) 歩行距離, 歩行スピード, step lengthのいずれもRA群で有意に低下しており, 単位時間あたりの消費エネルギー(Cal/kg.min)には有意差はないものの, 単位距離あたりの消費エネルギー(Cal/kg.m)はRA群で有意に高く歩行の効率の低下がみられた. 2) 歩行効率の低下したRA群は, ステロイド全身投与, 高血沈値, 疲労感, 下肢関節の疼痛および可動域制限のみられる症例が多かった. 3) 24時間心拍数変化は対照群では昼間の活動時間と夜間の睡眠時間が二相性となりヒストグラムでも二峰性パターンがみられたが, 歩行効率の低下したRA群では一相性が多く, 安静時心拍数に偏ったパターンを示した. 質問 横浜市大 腰野 富久: 下肢の術後の患者では歩行時の活動性は上昇するのかどうか.
ISSN:0034-351X