1.超未熟児の運動発達

昭和55年1月~57年12月の3年間で, 当センター新生児科に入院した904例のうち, 超未熟児(出生体重1,000g未満)は36例であった. そのうち新生児死亡11, その後の死亡5を除く生存例20例を対象に, 実用歩行を指標に運動発達を調査した. 20例のうち, リハビリテーション科を受診したものは15例で, 初回受診の時期は, 約半数が生後6~7ヵ月に集中していた. 初診時の振り分けは, 脳性運動障害, その疑い, 運動発達遅滞の3段階とし, それぞれ6例, 5例, 4例であった. 取り扱い区分は, 理学療法を処方する要治療と, リハ医が母親に対して扱い方を指導する要指導の2種類としたが...

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Veröffentlicht in:リハビリテーション医学 1985-09, Vol.22 (5), p.258-258
1. Verfasser: 陣内一保
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:昭和55年1月~57年12月の3年間で, 当センター新生児科に入院した904例のうち, 超未熟児(出生体重1,000g未満)は36例であった. そのうち新生児死亡11, その後の死亡5を除く生存例20例を対象に, 実用歩行を指標に運動発達を調査した. 20例のうち, リハビリテーション科を受診したものは15例で, 初回受診の時期は, 約半数が生後6~7ヵ月に集中していた. 初診時の振り分けは, 脳性運動障害, その疑い, 運動発達遅滞の3段階とし, それぞれ6例, 5例, 4例であった. 取り扱い区分は, 理学療法を処方する要治療と, リハ医が母親に対して扱い方を指導する要指導の2種類としたが, 振り分けとの関連では, 脳性運動障害の6例中3例を要治療とし, 他の12例はいずれも要指導とした. リハビリテーション科を受診しなかった5例を含めた成績では, 20例中2例が最終的に脳性麻痺と診断するに至った. 実用歩行についてみると, 脳性麻痺に至った2例中1例は2歳7ヵ月の現在, 介助歩行の域を出ないが, 他の19例はすべてが実用化しており, 実用化の時期は18ヵ月(修正月齢15ヵ月)頃までが大半を占めた. 超未熟児は, ほとんどの症例に脳性運動障害を思わせる所見や運動発達の遅れがみられるが, 適切な指導, 訓練により95%は実用歩行可能となっており, 救命された超未熟児は運動機能に関し良好な予後が期待できる. 質問 穐山富太郎(座長):新生児期から生後6~7ヵ月までの理学療法およびハンドリングの指導はどのようにされてますか. 答 陣内一保:我々は, 小児専門病院でのリハサービスを担当する立場にあり, 小児科的管理が優先することはやむを得ない. 分娩麻痺, その他の四肢先天奇形などへの対応は, 入院中からなされることが多いが, 脳性運動障害などは退院後開始されるのが実情である. 質問 石川整肢学園 辻成人:言語の発達の遅れ, と運動発達の遅れとの関係は, どのような状態であったでしょうか. また, その他の合併障害の発達の遅れについても御教示ください. 答 陣内一保:歩行開始の遅れた児には, 言語, 知的面での発達も遅れているとの印象は持っているが, 対象児は, 未だ就学年齢に達していないので, さらに追跡してみたい.
ISSN:0034-351X