2.重度脳性麻痺の呼吸機能について(第2報)

目的:重度脳性麻痺(以下CPと略)は呼吸パターンの異常を引き起こすし, 呼吸器感染症に罹患し易くかつ重篤化する. そこで我々はCP呼吸機能の病態生理学的把握を目的とし研究をすすめ, 一般にCPの呼吸機能は予備呼吸量低下に起因する拘束障害像を呈し, 移動能力の低い例は閉塞障害像も合併し, 運動負荷においては負荷量を増すに従って%VC, FEV10, V25, MVV共に低下することを報告した. また時折CPは, 睡眠により舌根沈下による閉塞障害から呼吸停止をきたす例があることに注目し, 今回は夜間の呼吸状態について観察した. 対象, 方法:芦北学園入園の7~34歳(平均20歳)の呼吸器疾患の現存...

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Veröffentlicht in:リハビリテーション医学 1984-01, Vol.21 (6), p.379-379
Hauptverfasser: 奥村悦之, 篠原誠
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的:重度脳性麻痺(以下CPと略)は呼吸パターンの異常を引き起こすし, 呼吸器感染症に罹患し易くかつ重篤化する. そこで我々はCP呼吸機能の病態生理学的把握を目的とし研究をすすめ, 一般にCPの呼吸機能は予備呼吸量低下に起因する拘束障害像を呈し, 移動能力の低い例は閉塞障害像も合併し, 運動負荷においては負荷量を増すに従って%VC, FEV10, V25, MVV共に低下することを報告した. また時折CPは, 睡眠により舌根沈下による閉塞障害から呼吸停止をきたす例があることに注目し, 今回は夜間の呼吸状態について観察した. 対象, 方法:芦北学園入園の7~34歳(平均20歳)の呼吸器疾患の現存しない男53名, 女47名につき, 覚醒時と睡眠時のf(呼吸数), TV, MV, を測定し, さらに呼吸曲線について各頂点間間隔を測定し, 呼吸のリズムとして変動係数(CV%=SD/x×100)を求めた. さらにSleep apneaをきたした例に, 我々考案の舌根沈下防止装置を使用してその効果について検討した. 結果:移動可能群に比し, Sleep apnea8例を含む寝たきり群では, TV1 MV共覚醒時に低く, 睡眠時はさらにf, MV, が有意に低下し, CV%もまた有意差が認められた. これら8例に頸部後方伸展, 下顎挙上を支持させる装具を使用したところ, f6.5±2.7, TV0.23±0.07l, MV1.95±1.15l, CV71.0±32.4%から, それぞれf13.4±4.2, TV0.35±0.15l, MV5.31±1.03, CV16.2±3.7%と改善し, 呼吸のリズムも一定し, 効率良い呼吸パターンとなった. 質問 北九州総合療育センター 佐伯満:舌根沈下防止装具について, 患者へ耐容性=装具の実用性はいかが? 答 奥村悦之:装具の適応は試行錯誤のくり返しです. 質問, 発言 村上恵一(座長):Central apneaについての御経験があればお伺いしたい. 拘束性, 閉塞性障害のほかに中枢性呼吸障害の因子が合併した例, または後者が中心となる場合, それぞれ別種の対応を要するのも当然であろう. 答 奥村悦之:Sleep apneaの8例はCentralなものは含まれていません.
ISSN:0034-351X