28.総合病院を活用した早期総合療育システムの検討
一過疎県の県立総合病院の機能を最大限に活用した早期総合療育システムについて検討してきた. 4年間に500名の発達, 療育相談があり57%が3歳未満であった. 脳性麻痺49例, 精神遅滞159例, 自閉症候群33例, 微細脳機能障害27例が主な障害であった. 当院には集団指導のできるスペースはなく, すべて個別指導, 訓練(月1回1時間の家庭療育指導を軸に, 要する児はPT, OT, ST)で対応し, 当院が核になりながら県下の小規模地域療育事業, 障害児収容施設, 統合保育, ことばの教室等の院外療育機関と連携した. 来院時の目的(ゴール)を一応達成して終了できた例は259例(52%)であった...
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Veröffentlicht in: | リハビリテーション医学 1984-09, Vol.21 (5), p.329-330 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 一過疎県の県立総合病院の機能を最大限に活用した早期総合療育システムについて検討してきた. 4年間に500名の発達, 療育相談があり57%が3歳未満であった. 脳性麻痺49例, 精神遅滞159例, 自閉症候群33例, 微細脳機能障害27例が主な障害であった. 当院には集団指導のできるスペースはなく, すべて個別指導, 訓練(月1回1時間の家庭療育指導を軸に, 要する児はPT, OT, ST)で対応し, 当院が核になりながら県下の小規模地域療育事業, 障害児収容施設, 統合保育, ことばの教室等の院外療育機関と連携した. 来院時の目的(ゴール)を一応達成して終了できた例は259例(52%)であった. 当院への紹介先は, 保健婦または健診を介してが127例(26%)と最も多く, 当院からの紹介先は, 小規模地域療育事業62例, 統合保育65例, 障害児収容施設34例, ことばの教室22例であった. 以上のように, 県立総合病院における療育指導が核になって関係機関の連携も進み, 母子保健の分野から続く総合的な療育の流れが形成されつつあることが明らかになった. しかし, 窓口担当医1名で多くのケースをさばいているのが実情で, 当院に付属した通園施設もなく, しかも周産期センターが当院にできリスク児の集中化も起こっており, 早急な全県レベルでの地域療育システム化が望まれる. 種々の問題点はあるが, 早期総合療育のために総合病院は活用可能である. 質問 宮城県整肢拓桃園 鈴木恒彦:(1)お話しの対象疾患の療育を進めるにあたっては, 多分に総合的(多面的)アプローチが必要と思われるが, 総合病院を中心とした療育システムではこの点をどのように補うのか. (2)お話の中での「一応のゴール」とは具体的にはどんなことを意味するのか. 答 木佐俊郎:(1)小規模地域療育事業が一次指導システム(地域エリア単位)に相当し, ここを支えるのが二次指導機関, 場合により三次機関も必要となる. こうした考えを拡げていけば, 広範囲の児をカバーできる可能性はあるが, 現状ではカバーし切れていない. 二次指導機関には既存の障害児収容施設が該当する. 小規模地域療育事業に二次指導機関はスタッフを派遣する役割がある. (2)ゴールとは短期のもので, 達成とは次の療育機関につないだり, 来院時の悩みや問題点が達成された場合をいう. (3)高橋先生の質問に対して;三次機関としてカバーするのなら全県ということになるが, 当院に期待されている役割を二次機関としてとらえた場合は, 県中部つまり人口30数万人の範囲をカバーしたいと考えている. |
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ISSN: | 0034-351X |