15.Duchenne型筋ジストロフィーの呼吸障害度分類

Duchenne型筋ジストロフィー(DMD)の主要な死因が呼吸不全であることは周知の事実である. 日本ではDMDを国立療養所にて療育するシステムをとるため, 我々病棟主治医は呼吸障害の進展過程, 予後について重大な関心を持っている. 当院では一昨年より継時的に動脈血ガス分析を行っている. その結果DMDの呼吸障害は肺胞低換気像を呈し, 厚生省呼吸不全研究班の分類や療養所で使用されている中島の筋ジストロフィー呼吸不全分類では分類に不都合な点が多いことを知った. そこで我々はPaCO2だけを指標とした呼吸障害度分類を作成した. (1)潜在期, PaCO2 45mmHg未満, (2)初期50mmHg...

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Veröffentlicht in:リハビリテーション医学 1984-09, Vol.21 (5), p.324-324
Hauptverfasser: 石原傳幸, 津谷恒夫, 富安忠雄, 儀武三郎, 青柳昭雄, 里宇明元
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:Duchenne型筋ジストロフィー(DMD)の主要な死因が呼吸不全であることは周知の事実である. 日本ではDMDを国立療養所にて療育するシステムをとるため, 我々病棟主治医は呼吸障害の進展過程, 予後について重大な関心を持っている. 当院では一昨年より継時的に動脈血ガス分析を行っている. その結果DMDの呼吸障害は肺胞低換気像を呈し, 厚生省呼吸不全研究班の分類や療養所で使用されている中島の筋ジストロフィー呼吸不全分類では分類に不都合な点が多いことを知った. そこで我々はPaCO2だけを指標とした呼吸障害度分類を作成した. (1)潜在期, PaCO2 45mmHg未満, (2)初期50mmHg未満, (3)中期60mmHg未満, (4)末期60mmHg以上と分類した. 潜在期は機能障害度平均5度, 肺活量1,074cc, 初期では6度, 1,150cc, 中期では7度, 619cc, 末期では8度, 501ccとなった, 機能障害度や肺機能検査とよく順あるいは逆相関し, 単純で実用的な分類法であると考えられた. なお死亡群の15例における, 平均年齢は18.3歳, 死亡6ヵ月前の平均PaCO2は61.8mmHgとなり, DMD呼吸障害度分類末期の平均通過期間は約半年程度と推察された. 質問 福島整肢療護園 湊治郎:Duchenne型筋ジストロフィー症に対し体外人工呼吸器に関し, すでに製品化された器機があるのか御教示いただきたい. 答 石原傳幸:体外式人工呼吸器は現在試用中で良い結果を得ているが, まだ例数が少なく, 厚生省の認可を受けられないという問題点があり, 今後この障害をどう乗りこえるかが問題となっている. (2)松家先生の質問に対して;血液ガス測定は, 朝食後に行いました.
ISSN:0034-351X