10.サーモプラスチックスプリントの使用経験
整形外科, リハビリテーション領域で用いられる治療用装具は必要に応じて随時作製され, 適合性が良好で, 好んで用いられるものでなければならない. この要求に応じるものとして, 我国でも近年いくつかの熱可塑性プラスチックが開発されている. 今回我々はその一つであるサーモプラスチック(東京衛材)を使用し, 有用性を検討してみた. 材質はアクリル系合成樹脂で, 約70℃で可伸展性, 粘着性となり約2分で硬化する. このスプリント用材を使用し, 昭和58年4月~昭和59年6月に当科で加療した患者144例に対し300個のスプリントを作製した. 内訳は, RA38例150個, RA以外の関節炎10例10個...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | リハビリテーション医学 1984-09, Vol.21 (5), p.321-322 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 整形外科, リハビリテーション領域で用いられる治療用装具は必要に応じて随時作製され, 適合性が良好で, 好んで用いられるものでなければならない. この要求に応じるものとして, 我国でも近年いくつかの熱可塑性プラスチックが開発されている. 今回我々はその一つであるサーモプラスチック(東京衛材)を使用し, 有用性を検討してみた. 材質はアクリル系合成樹脂で, 約70℃で可伸展性, 粘着性となり約2分で硬化する. このスプリント用材を使用し, 昭和58年4月~昭和59年6月に当科で加療した患者144例に対し300個のスプリントを作製した. 内訳は, RA38例150個, RA以外の関節炎10例10個, 骨折22例22個, 槌指7例8個, 腱手術後13例16個, 末梢神経麻痺14例36個, 拘縮9例14個, 先天性, 外傷性変形19例31個, その他12例13個であり, dynamic splint 34個の大部分は腱手術後, 末梢神経麻痺, 拘縮例に対して用いた. スプリント作製の実際とその要点について述べ, 実例を示し, その有用性を検討した結果, (1)必要に応じ短時間で作製可能, (2)細かい細工が可能, (3)修正が簡単にできる, (4)フィットし易い, (5)軽い, (6)耐水性である, 等の利点と, (1)材料費がやや高価, (2)吸湿性が悪いため皮膚がむれる, (3)外観が劣る, (4)高温に弱い, 等の欠点が挙げられるが, 特に必要とする装具が時期を逸せず, 直ちに医師あるいは療法士により作製できるという点で, サーモプラスチックによるスプリント療法は, 極めて有効といえる. 質問 川崎医大 明石謙:費用の請求はどうされているか御教え下さい. 答 南川義隆:医師, 療法士の製作した装具に対する保健点数請求ができないということは, 大変重要な事で, ギプス固定等で請求しても問題ないと考えるが, 現実には, 請求していない. 関係機関の働きかけにより, 解決していただきたい問題である. |
---|---|
ISSN: | 0034-351X |