20.大腿骨頸部骨折患者の社会復帰に及ぼす諸因子の検討

大腿骨頸部骨折患者の社会復帰に及ぼす諸因子を検討するため, 受傷前, 退院時, 調査時において, 独歩, 1本杖歩行, 介助歩行, 車椅子又は寝たきりの4段階に分け, さらに, 退院時と受傷時, 調査時と退院時の歩行能力の変化をI群;1本杖歩行以上で同程度またはそれ以上のもの, II群;介助歩行で以前より1段階低下又は同程度のもの, III群;車椅子又は寝たきり, または以前に比し極端に低下したものの3群に分類し, これを基準として, 林の数量化理論III類にて解析し検討した. 症例は全例80例, 平均年齢74歳4ヵ月, 内側骨折, 外側骨折それぞれ40例で, 個々の症例に対して, 22の要因...

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Veröffentlicht in:リハビリテーション医学 1984-09, Vol.21 (5), p.313-313
Hauptverfasser: 嶋崎宣孝, 三好邦達, 長尾悌夫, 山崎誠, 浜辺正樹, 名倉直秀, 荘正信
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:大腿骨頸部骨折患者の社会復帰に及ぼす諸因子を検討するため, 受傷前, 退院時, 調査時において, 独歩, 1本杖歩行, 介助歩行, 車椅子又は寝たきりの4段階に分け, さらに, 退院時と受傷時, 調査時と退院時の歩行能力の変化をI群;1本杖歩行以上で同程度またはそれ以上のもの, II群;介助歩行で以前より1段階低下又は同程度のもの, III群;車椅子又は寝たきり, または以前に比し極端に低下したものの3群に分類し, これを基準として, 林の数量化理論III類にて解析し検討した. 症例は全例80例, 平均年齢74歳4ヵ月, 内側骨折, 外側骨折それぞれ40例で, 個々の症例に対して, 22の要因と55の細目にて分類した. 退院時と受傷時の歩行能力の変化を比較した結果では, 住宅状況が最も大きく影響し, 次いで治療法, 骨折型, 受傷時の居住地, 片麻痺, 腓骨神経麻痺の有無などが大きく影響している. また, マイナスに大きく影響したものは, 老人ホームのもの, 片麻痺, 腓骨神経麻痺の合併例などであり, 調査時と退院時の歩行能力の変化を比較した結果では, 居住環境, 次いで受傷時, 退院先, 調査時の居住地, 退院時歩行能力であり, マイナスに大きく影響したものは老人ホームや受傷時, 退院先, 調査時の居住地が他医療機関のものであった. 以上, これらより, 長時間にわたり, 歩行能力を良好に維持するには, 治療後のリハビリテーションをどのように維持させるかにあることを強調したい. 質問 長崎日赤原爆病院 伊藤京衛:(1)固定材料と歩行能力に差がありましたか. (2)術後リハビリテーションで, 運動浴をしたグループと運動療法のみのグループとに差がありましたか. 答 嶋崎宣孝:(1)固定材料による差の解析は, 今回検討していない. (2)プール浴可能な症例には, 施行している. また, 後療法でプール浴のものと運動療法のものとの差の解析は行っていない. 答 嶋崎宣孝:嶋良宗先生(座長)の質問に対して;(1)要因の住宅状況は, 居住環境の状態を示すものである. (2)老人ホームのカテゴリーがマイナスとして大きく影響していたが, 老人ホーム症例の個人スコアのカテゴリーを検討してみると, マイナスのカテゴリーが多く, その結果マイナスとなっているものと思われる.
ISSN:0034-351X